電子カルテの医師所見を構造化データに変換する新技術

小児医療データの新しい解析手法



東京を拠点に活動する株式会社ケアネットと国立研究開発法人国立成育医療研究センターが提携し、小児医療に特化した電子カルテ情報の分析技術を開発しました。この共同研究では、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療に使われるロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)の処方歴を持つ患者の電子カルテデータが対象とされ、特にアナフィラキシーの症例に焦点を当てています。

研究の背景と重要性


今日、医療現場では毎日膨大な健康データが蓄積されていますが、特に小児医療分野では、そのデータが不足しているのが現状です。国立成育医療研究センターでは、全国の小児関連施設から電子カルテ情報を収集し、安全性評価や医薬品の適正使用を推進しています。このことから、電子カルテに記載された医師の所見を構造化データに変換する技術のニーズが高まっています。

一般的に、電子カルテには患者の基本情報は構造化された形で保存されていますが、医師が書く自由形式の所見や記録は非構造化データに該当します。この非構造化データには、患者の病歴や詳細な状況に関する重要な情報が含まれているため、これを適切に活用することが医療の質の向上につながると期待されています。

研究の進展


本研究では、H&H CONNECT株式会社が提供する自然言語処理技術を駆使し、非構造化データを分析しやすい形に変換するための手法を確立しました。自然言語処理により、医師の所見や診断内容を整理し、構造化データとして活用できるようになりました。この結果、電子カルテに記載された自由記述の情報を、より効率的に解析することが可能になります。

この新しい手法によって、構造化データと非構造化データを統合した解析が可能になり、これにより小児医療分野における健康データ利用の幅が広がると考えられています。

今後の展望


今回の研究成果により、医薬品の有害事象の原因を特定する可能性が示され、これを実現するためには非構造化データを効率的に活用することがカギとなります。今後の展望としては、非構造化データのさらなる活用を進めることで、小児医薬品の安全性監視を強化し、医療の質を向上させることが期待されています。

さらに、日本の小児医療を含む様々な医療分野への知見の展開や、健康医療データの活用方法の洗練を進めることで、医療現場や製薬業界が直面する課題の克服にも寄与することを目指しています。

これにより、様々な疾患領域でのデータ利活用が進むことに期待が寄せられています。今後もケアネットと国立成育医療研究センターは連携し、より良い医療環境の実現に向けた取り組みを加速させていくでしょう。

会社情報

会社名
株式会社ケアネット
住所
千代田区富士見1-8-19 住友不動産千代田富士見ビル
電話番号

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