新型VTOL型無人機、災害救助の救世主へ
エアロセンス株式会社(東京都北区)は、自社で開発した新型の災害救助用VTOL(垂直離着陸型固定翼)無人航空機「AS-H1」の試作機を完成させ、災害時における有人・無人機連携の新たな可能性を切り開きます。この試作機は、内閣府の支援を受けた経済安全保障重要技術育成プログラムのもとで進められてきたプロジェクトの一環として開発されました。
先進的な飛行性能
AS-H1の最大の特長は、その飛行性能です。この無人機はペイロード10kg時に最長120kmの距離を飛行することができます。耐風性と防水性能も優れており、横風20m/s、さらには雨天時でも安定した飛行が可能です。完成した試作機は、災害現場での物資輸送や情報収集を円滑に行うための仕様となっており、運航安全管理技術の実用化に寄与することでしょう。
高度な安全機能
AS-H1は最新技術を駆使し、安全性能を向上させています。機体には障害物を検知するためのレーダーが搭載されており、衝突を未然に防ぐ機能を備えています。万が一のトラブルが発生した際も、安全に飛行を続けるためにシステムの多重化が行われており、高精度な測量や撮影業務にも対応可能です。
今後の展開と市場への影響
エアロセンスは、新型VTOL型無人機を使って、過疎地や離島間の物流、災害救助活動などに活用することを目指します。国土交通省にはすでに第一種型式認証の申請を行い、現在審査が進められています。同社はこの機体を通じて、さらなる市場拡大を狙っており、撮影データの提供を受ける企業も募っています。
また、AS-H1は、既存のエアロボウイングにも情報を追加し、よりハイエンドな機体として展開される予定です。これにより、海外市場への進出も見据えた事業展開が行われる見込みです。
AS-H1の概要
- - 機体名称: AS-H1
- - 外形寸法: 3.9 x 2.7 x 1.0 m
- - 機体重量: 57 kg
- - 最高速度: 120 km/h
- - 飛行時間: 10kg搭載時で1.5時間
- - 飛行距離: 120km(10kg搭載)
- - 最大搭載可能重量: 13kg
- - 防水・防塵: IP45
- - 耐風性能: 20m/s
- - 使用温度範囲: -20~45℃
さらなる詳細なスペックについては、エアロセンスの公式ウェブサイトをご覧ください。この新型無人航空機が、今後どのような形で社会に貢献していくのか、その動向に注目が集まります。