脱・普通の就労支援 "わくぽに"の誕生
千葉県袖ケ浦市にある就労支援B型事業所「わくぽに」が、緑豊かな廃校施設で新たな活動拠点を開設しました。これは、旧平岡小学校幽谷分校を活用したプロジェクトで、従来の活動に新たなプログラムを加えて、利用者の心身の健康を増進するとともに、地域との繋がりを強化することを目的としています。
自然との触れ合いがもたらす恩恵
近年の研究によると、自然に触れることで抑うつ症状が軽減され、ストレスの軽減や集中力の向上が示されています。このような背景から「わくぽに」では、廃校を拠点に様々な活動が展開されることとなりました。利用者が緑に囲まれた環境で活動することが、心理的な回復を促進し、より良い心身の健康を実現することにつながると信じています。
地域活性化を見据えた事業展開
「わくぽに」は、IGNITIONが目指す社会課題の解決を通じて、利用者の自立を支援する新しいモデルを構築しています。これまでのアクアポニックスによる黒高麗人参の生産販売に加え、ハーブやメダカの飼育など多岐に渡る活動が行われます。これにより、月額工賃4.5万円という全国平均を意識した高い賃金を目指します。
活動内容と新たな挑戦
自然調和型ワークショップ
新拠点では、旧校舎を利用した作業スペースで利用者が特性や希望に応じた軽作業や創作活動を行います。木の温もりを感じる環境で、自然を身近に感じながら、創造性を育む場としての役割を持ちます。
アニマルセラピー
飼育する錦鯉やメダカの世話は、生命の尊さを教えるだけでなく、アニマルセラピーとしても機能します。特にメダカの飼育活動は手軽にでき、観察力や集中力を高めることができます。
サステナブル農業の実践
アクアポニックスを取り入れた循環型農業では、環境教育の場として利用されます。魚と植物の共生を学ぶだけでなく、実際にハーブや葉物野菜を育てることで、環境意識も高めていきます。
地域交流の促進
地域住民との交流を計画することで、相互理解と連携を深め、地域の一部として根付きます。また、子どもたちとの交流プログラムも検討されており、世代を超えた学びの場を提供することに注力しています。
代表の思い
「わくぽに」の運営を行う株式会社IGNITIONの代表取締役、佐藤吏氏は、廃校を利用した新拠点の重要性について語ります。「ここは単なる作業場所ではなく、利用者が自然との触れ合いを通じて、自らの可能性を広げる場所としたいです。地域との絆を力に、新たな就労モデルを作り上げたい」との思いを強調します。
支援者の声
フィールドワーカーを務める山口竜氏は、「障がいを持つ方々が活躍できる場所ができたことは大きな意味があります。ここでの活動を通じて、自分の価値を見つける手助けができればと思っています」と語ります。
まとめ
自然の力と人の可能性を大切にする「わくぽに」は、袖ケ浦市の廃校を新たな活動拠点とし、地域活性化と利用者支援の両立を目指しています。この取り組みが、障がい者の新たな就労モデルを形成し、地域社会に貢献することを期待しています。