ヒロシマ1945: 写真と映像が語る原爆の悲劇
東京都恵比寿に位置する東京都写真美術館では、被爆80年企画展『ヒロシマ1945』が開催中です。主催は中国新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、中国放送、共同通信社の5社で構成され、今回の展は原爆の非人道性を訴える重要な取り組みとなっています。
62152人の命を奪った原爆の記録
1945年8月6日、広島市に投下された原子爆弾は、多くの人々の命を奪い、街を焦土と化しました。推定では、爆撃後の年末までに約14万人が亡くなったと言われています。今回の展覧会では、焦土と化した広島の様子や被爆者の姿を捉えた写真が多数展示されており、原爆の恐ろしさを広く伝えています。
トークイベントで語られる被爆の実態
展覧会の一環として、6月28日よりトークイベントが開催され、報道機関の写真記者や被写体の生き残った家族が参加し、貴重なエピソードを共有します。例えば、国平幸男による「被爆後の市街地に立つ少女」に関するエピソードなど、被爆の影響を受けた個々の人生について語られます。これにより、観覧者は歴史的な状況をより深く理解することができます。
映画フィルムの発見と保存の経緯
近年、戦後50年を経て発見された映像フィルムも重要な資料です。日本映画社が製作したこのフィルムには、被爆直後の広島と長崎の様子が記録されており、トークセッションでは保管の背景に関する話がされます。特に、このフィルムに映る少年の存在が語られる中、観覧者は生々しい歴史の一端に触れることができます。
写真記者の視線が捉えた歴史
トークイベントでは、過去の別のトークで語られた写真記者の視点からも、被爆直後の広島の様子が語られます。被爆当日から数日後にかけて撮影された写真は、ただの記録に留まらず、当時の人々の苦悩や絶望を伝えるものです。これらの記録がどのように保存され、どのように情報が発信されてきたのか、貴重な歴史的教訓が明らかにされます。
展覧会の概要と入場情報
『ヒロシマ1945』展は、2025年5月31日から8月17日まで開催され、広島原爆記録写真の数々を通じて時系列で被爆の実態を伝えていきます。一般入場は800円(大学生以下は無料)、65歳以上の方は500円、開館時間は10:00から18:00(木・金は20:00まで)となっています。トークイベントは無料で参加可能ですが、整理券が必要です。
この展覧会を通じて歴史の教訓を知り、次世代へと伝えていく責任を再認識しましょう。