量子HPCスーパーコンピュータ
2025-11-18 10:46:10

DTSが受注した量子HPC連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータの全貌

DTSが描く未来の計算プラットフォーム



株式会社DTS(本社:東京都中央区)は、理化学研究所(以下、理研)が主導する「量子HPC連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータ」のシステム構築の受注を発表しました。このプロジェクトには、DTSだけでなく、デジタルテクノロジー株式会社、株式会社ScaleWorX、台湾のGIGA Computing Technology社が参加する合同チームが組まれています。

このスーパーコンピュータは、2025年度中に完成することを目指しており、量子コンピュータ、AIスーパーコンピュータ、従来のHPC(High Performance Computing)を結集した新たな計算プラットフォームの開発を意味します。今回のシステム構築は、日本の最前線で進化し続ける計算技術の一端を担うことになるでしょう。

プロジェクトの背景と目的


このプロジェクトは、量子コンピュータとHPCの統合を目指しており、計算科学研究センターによって導入されるNVIDIA GPUシステムは、量子ソフトウェア開発の重要なシミュレーション環境を提供します。富岳や量子HPCハイブリッドコンピューティングを活用することで、新たなアプリケーション領域を開拓することが期待されています。この取り組みは、世界的な競争が続く中、日本がいかにしてグローバルに技術力を発信していくのか、その一端を示すものとなります。

システムの構成と性能


新しいシステムは、NVIDIA社製のGrace Blackwellスーパーチップ「GB200 NVL4」を搭載した135台の計算ノードから成り立っています。これにより、540基のGPUを活用することで、演算性能は倍精度浮動小数点演算(FP64)で21ペタフロップス以上、8ビット浮動小数点演算(FP8)では5エクサフロップス以上に達し、世界でも有数の計算能力を誇ります。

また、温水冷却サーバを採用することにより、高性能とエネルギー効率を両立させ、エコロジカルな側面でも評価されることでしょう。ノード間の通信は、NVIDIAが推進するInfiniBand XDR技術により最大3.2テラビット毎秒(Tbps)の高速通信が可能です。

量子とHPCの融合


量子HPC連携プラットフォームの目指すところは、量子コンピュータとHPCの密接な連携による新たなアプリケーションの創出です。このシステムは、量子コンピュータのシミュレーション環境としても機能し、未来の計算基盤としての役割を持つことになるでしょう。理研の佐藤三久氏は、このシステムが量子ソフトウェアの開発を支える重要な役割を果たすと期待を寄せています。

今後の展望


DTSの上席執行役員、谷博氏は、「このプロジェクトに参加できることを非常に誇らしく思っています」と述べ、国を挙げたプロジェクトの意義についても触れました。技術の進化が進む中、DTSグループは、システム構築から保守運用まで、高度な専門性を持つ企業と連携し、合同チームとしてプロジェクトを強力にサポートしていく意向を表明しています。

この「量子HPC連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータ」は、理研に設置され、国内外の研究者に向けて新たな計算リソースを提供することが期待されます。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けて進められているこのプロジェクトは、日本が未来へと向かう上での重要な一歩となるでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社DTS
住所
東京都中央区八丁堀2-23-1エンパイヤビル(受付8階)
電話番号
03-3948-5488

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