インドネシアで設立された建設技術者育成の専門講座
大東建託株式会社は、インドネシアのシンガプルバンサ・カラワン大学で、施工管理技術者を育成するための専門講座を2023年8月12日から開講すると発表しました。この講座の開講式は、8月4日に現地で行われ、将来的な建設業界の人材不足に対応する重要なステップとなっています。
講座の背景と目的
近年、日本の建設業界では、業界内で理系学生の減少や、いわゆる2024年問題が懸念されています。これらの要因が重なり、国内での人材確保が厳しくなっています。そのため、大東建託は、優秀な外国人材を育成し確保するための取り組みを推進しています。この専門講座は、日本での建設業務で必要な専門知識を教えることを目的としています。
講座の内容
専門講座のカリキュラムには、日本語能力試験対策講座、1級建築施工管理技士講座、そして日本文化や産業についての知識習得講座が含まれています。これにより、学生たちは日本での活躍に向けて必要なスキルと知識を身につけることができます。受講希望の学生は、1次選考を受け、合格者は日本語の基礎を固めるための講座に進みます。
さらには、2027年3月までに日本語能力試験N2レベルに合格した学生には、2次選考が行われます。通過した学生は、専門的な内容を学ぶことになり、最終的には2027年12月に日本に渡航し、国内従業員と同様の雇用条件で施工管理業務を担当します。
大東建託の国際的な取り組み
大東建託は、昨年からウズベキスタンのタシュケント国立工科大学との連携を開始しており、その取り組みは国際的な人材確保へと広がっています。今回の日本とインドネシアの大学との提携を通じて、さらなる優秀な外国人材の確保を目指しています。これにより、建設業の国際化を進め、業界の発展にも寄与することを目指しています。
日本語能力試験N2は、日常的な場面で使われる日本語を理解するための重要な指標です。2024年12月に予定されている合格率は約33.1%であり、学生たちにとっては高いハードルですが、それを乗り越える価値は大いにあるでしょう。
未来の展望
この講座を通じて、多くの学生が日本で働き、建設業界に貢献する未来が期待されています。また、技術者としてのスキルを持つ人材が日本に増えることで、業界全体の技術力も向上することでしょう。大東建託は、今後も国際的な人材育成に注力し、持続可能な建設業界の実現に向けた取り組みを続けていきます。