日本の女性映画人(3)―1990年代
国立映画アーカイブは、2025年2月11日から3月23日までの間、特集上映「日本の女性映画人(3)――1990年代」を開催します。この企画は、日本映画の歴史において、さまざまな職域で力を発揮してきた女性映画人たちの功績を称えるものです。これまでの上映企画として、無声映画や1960年代、1970年代から1980年代にかけての女性映画人に焦点を当ててきた本シリーズは、1990年代をテーマにした特集を迎え、さらなる深堀りを行います。
1990年代の女性監督誕生の背景
1980年代以前の日本映画界では、俳優出身の女性監督や記録映画、ピンク映画の分野においては一定の存在感を示していたものの、一般劇映画において女性監督がキャリアを確立することは難しい時代でした。しかし、1990年代に入ると、次第に女性監督が継続的に作品を発表するようになり、それが彼女たちの「職業」としての地位を確立する起点となりました。これは、日本映画史において非常に重要な転換点であったと言えるでしょう。
映画界の先駆者たちの軌跡
本特集では、1990年代前後の作品を中心に、計52作品(37プログラム)が上映されます。特に注目したいのは、海外留学を経て長編監督としてデビューした山﨑博子や佐藤嗣麻子、CMディレクター出身の松浦雅子など、メジャー作品とインディーズ作品を横断して多様な表現を追求した女性監督たちです。彼女たちは、当時の映画業界で先駆的な存在となり、それぞれのスタイルを確立しました。
また、個人映画や実験映画において独特の個性を放った作家たちも多く登場しました。小口詩子や和田淳子、寺嶋真理、歌川恵子といった女性映像作家たちは、それぞれ異なる視点から映像を探求し、観客に新たな体験を提供しました。これらの作品は、1990年代の映像文化に多大な影響を与えています。
映画プロデューサーの台頭
さらに、本特集は女性映画プロデューサーにも焦点を当てています。阪本順治監督を支えた椎井友紀子や、佐藤美由紀、松田広子といったプロデューサーたちは、映画制作の舞台裏から作品を支える重要な役割を果たしました。彼女たちの功績もまた、1990年代の映画の潮流を作り上げており、今後の映像制作に与える影響も見逃せません。
開催概要と詳細
本特集上映は、国立映画アーカイブの長瀬記念ホール OZUで行われ、月曜を除く期間中に実施されます。公式サイトで販売されるチケットや上映プログラムの詳細については、以下のリンクからご覧ください。
映画界に新たな視点を提供する本特集に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。