星の文人 野尻抱影生誕140年記念展の魅力
2025年4月26日から8月31日まで、横浜市にある資料館で特別展『星の文人 野尻抱影の宇宙』が開催されます。本展は、野尻抱影の生誕140年を祝うもので、彼が多くの人々に愛され続けている理由を探る貴重な機会です。
野尻抱影とは?
彼は「冥王星」という和名の名づけ親であり、豊富な知識と独自の視点を持つ文学者として知られています。その名は「星の文人」として広く知られ、星空に対する深い愛情を持ち続けていました。実は、彼の兄が大佛次郎で、抱影は家庭としても文学の世界にも影響を与えた存在です。
展示内容
本展では、野尻抱影が書いた珠玉のエッセイをはじめ、全国各地から集められた星の和名に関する貴重な資料が展示されます。また、抱影のシンボルともいえる天体望遠鏡「ロング・トム」を間近で見ることができる機会も設けられています。この望遠鏡の名前は、彼が翻訳したスチーブンソンの小説『宝島』に登場する海賊船の大砲から取られたものです。
展示は文学や民俗学の書籍を基に、家族への思いや、彼が描いた宇宙をテーマとした内容で構成されています。また、彼がどうやって宇宙を理解し、愛して成長したのかを感じさせる資料が多数展示される予定です。
特別イベント
この記念展に合わせた関連イベントも盛りだくさんです。特に注目すべきは、夏休み期間中に開催される「観望会&トーク」です。このイベントでは、抱影が愛用した望遠鏡「ロング・トム」を使用して月を観測する機会があります。解説は平塚市博物館の学芸員、塚田健氏が務める予定です。参加対象は小学4年生以上で、小中学生が参加する際は保護者の同伴が必要です。各日30名の定員制で、予約が必要ですので、興味のある方は早めに申し込みましょう。
兄弟の物語
また、著名な作家である瀬名秀明氏が連載中の小説「オリオンと猫 野尻抱影と大佛次郎物語」は、幅広い年齢層の星好きに支持されています。兄弟がどのような関係を築いていたのか、彼らの生活や思いに触れることができる素晴らしい作品です。
初公開の資料
今回の展覧会では、抱影の自著及び蔵書データベースも初めて公開される予定です。これにより、彼の知識や関心の幅を多角的に知るチャンスです。
さらに、平塚市博物館でも、別の関連企画展「野尻抱影 星の文人の軌跡」やプラネタリウム投影も行われるなど、抱影の生誕140年記念イヤーを豊かに彩る様々なイベントが予定されています。
この特別展は、抱影だけでなく、星空や宇宙に興味を持つ全ての人に新たな発見を与える機会ともなることでしょう。ぜひこの機会に足を運び、星の文人の世界に浸ってみてください。