日体大とフランクフルトバレエ団の融合、YPAM2024で新作初披露
2024年12月、日体大の伝統的なパフォーマンス「集団行動」が、ウィリアム・フォーサイスの流れを汲むダンスの新しい形として、横浜で初めてのコラボレーションに挑戦します。
ここで注目すべきは、集団行動とは1966年に始まった日本体育大学の伝統的な歩行訓練であり、教育の一環として始まりましたが、その驚くべき技巧がYouTubeなどを通じて世界的な注目を集めるようになりました。毎年、学生たちが五ヶ月の厳しい訓練を経て「体育研究発表実演会」で実演を披露し、今年は約70名の学生が参加することになっており、多くのファンを魅了しています。特に、11月26日に横浜アリーナでのパフォーマンスには多くの観客が集まり、彼らの一糸乱れぬ歩行とユーモアを交えた表現が印象的です。
この集団行動に心惹かれたのが、ドイツ・ケルンに拠点を置くバレエ団「バレエ・オブ・ディファレンス」のリチャード・シーガル(芸術監督)です。シーガルは2022年にダンサーたちを日本に派遣し、実際に集団行動の訓練に三週間参加しました。彼はその経験を基に、ドイツで『Ballet of (Dis)Obedience』と題した作品を発表し、集団行動の様式を取り入れた振付を展開しました。
しかし、シーガルはそれに満足せず、今度は日本体育大学の学生たちとのコラボレーティブなパフォーマンスを実現することにしました。今年の12月、横浜国際舞台芸術ミーティング(YPAM)のプログラムとして行われるこの新作『集団行動』では、全体と個、規律と主体性、芸術とスポーツといった対立する概念について考察を促す作品が期待されています。クリス・サルター(振付家)は数理モデルを導入し、振付の新しい可能性を切り開いていくことで知られています。また、音楽は坂本龍一とのコラボレーションで知られるカーステン・ニコライ(アルヴァ・ノト)が手がけ、マティアス・ジンガーによるハイパーモダンなライティングも加わります。
期待の新作『集団行動』には、70名の学生たちが参加し、シーガルが指揮を執る中で、その新たな表現方法を模索していくことになります。
公演詳細
- - タイトル: 集団行動
- - 日時: 2024年12月14日(土)18:30、20:00開演(2回公演)
- - 場所: KAAT神奈川芸術劇場
- - チケット料金: 一般2,500円、YPAM参加登録者1,000円
- - 上演時間: 約20分
未就学児童の入場は不可で、車椅子席や多目的トイレも用意されています。これまでの集団行動の流れを汲みつつ、新たなスタイルをもって変貌するパフォーマンスに、多くの観客が期待を寄せています。
YPAMについて
YPAM(横浜国際舞台芸術ミーティング)は、国内外のプロの舞台芸術家たちが集まり、公演やミーティングを通じて交流し、舞台芸術の創造や活性化を目指すプラットフォームです。詳細はYPAMの公式サイトで確認できます。
提供: 日本体育大学