中国市場への戦略的アプローチ
カルビー株式会社は、新たな幅広い販売戦略の一環として、中国における『Jagabee』の現地製造を開始しました。これまで、同商品は日本から輸入されてきましたが、現地製造することで安定的な原料調達と、受け入れやすい価格設定を実現し、市場の需要に応えようとしています。
植え付けられた未来へのビジョン
カルビーは、2025年度までの3ヶ年変革プラン「Change2025」を掲げ、その重点として海外事業を設けています。その中で中国市場は特に注力するエリアと位置づけられています。日本発のブランドの認知度を高めるため、輸出のみならず、現地及びアジアの製造拠点からの供給拡大に方針がシフトしました。
『Jagabee』は、その独自のサクッとホクホクとした食感と、皮つきじゃがいもをそのまま使用した、じゃがいも本来の風味を大切にしたスナックとして知られています。日本での発売は2006年に遡る人気商品です。
成功の鍵、現地製造の実現
『Jagabee』は2018年に中国市場への輸出を開始し、好評を博してきましたが、供給が需要を上回る課題が浮上していました。そこで2023年5月、カルビーはプロジェクトを立ち上げ、中国でじゃがいもを栽培するスナック菓子メーカーと提携し、現地のOEM生産体制を確立することにしました。
製品の品質を確保するため、原料じゃがいもの安定調達だけでなく、製造プロセスや品質管理も重要な要素となりました。特に試練だったのが、日本と中国での原料の質の違いにどう対応するかという点でした。パートナーとの協力を得て、100回以上の試作を積み重ね、ついに発売にこぎつけました。これにより、2024年5月下旬からは、中国国内のスーパーやコンビニエンスストアでの販売が始まり、大きな期待が寄せられています。
企業としての展望
カルビーグループは、1949年の創立以来、自然の恵みを活かしながら「おいしさ」と「楽しさ」を提供することに注力してきました。今後も企業理念のもと、100年以上にわたり挑戦し続け、社会的課題解決に向けた取り組みを進めていく所存です。新たな成長に向けての変革を踏み出すことで、次世代の食の未来を切り開くことを目指しています。