ウルトラマン権利問題に米国裁判所が勝訴判決を下す
ウルトラマンシリーズを巡る長年の法廷闘争が、2023年10月に米国カリフォルニア中央区地方裁判所において、当社による全面勝訴判決として結実しました。この判決は、ユーエム株式会社が主張する当社の著作権侵害に対し、当社の権利が正当に認められたことを示しています。
訴訟の経緯
この訴訟は、2015年に遡ります。ユーエム株式会社は、1976年に当社の創設者である円谷皐が署名した文書に基づき、ウルトラマンシリーズの日本以外での権利を持っていると主張し、損害賠償を求めて提訴しました。これに対し、当社は反訴を行い、権利帰属と賠償請求を主張しました。
争点は、ユーエムが主張する契約書の真贋です。当社は、この文書が偽造されたものであると強く主張しました。この文書は当社の元代表者円谷皐が亡くなった1996年にソンポテ氏によって初めて持ち出され、その内容には多くの誤りが含まれており、また具体的な条件も不足していました。加えて、この文書が署名されたとされる1976年以降、権利主張が一度も行われなかったことは、文書の信憑性に疑問を投げかける要因となりました。
国際的な争いの背景
この権利問題は、日本だけでなく、タイや中国でも争われてきました。日本では文書の原本の確認が行われないまま、偽造であると認められることはありませんでしたが、タイでは筆跡鑑定が行われ、当社の主張が認められて勝訴を収めました。しかし、中国の裁判所では異なる見解が示され、当社は一度敗訴しました。
米国での新たな勝利
その後、米国での訴訟手続きに入ると、ディスカバリーと呼ばれる新たな証拠開示手続きが行われ、これまでの訴訟では明らかにならなかった事実や証拠が浮かび上がりました。このプロセスを通じて、多数の証人や筆跡鑑定の専門家が出廷し、証言を行いました。しかし、ソンポテ氏は出廷を拒否しました。
判決では、ユーエムが根拠とする1976年の日付の契約書は円谷皐によって署名された真正な文書ではないとされ、その効力が否定されました。この判決は、法的に当社の権利をしっかりと認めており、権利関係における当社の立場を強化する結果となりました。
今後の展開
当社はこの勝訴判決を受けて、ウルトラマンの作品をより積極的に海外展開していく意向を示しています。ユーエムとの間に長い間続いた争いが、ふたたびウルトラマンの名を世界に広める新たな一歩となることが期待されています。
お取引先様や関係者の皆様、ひいてはウルトラマンシリーズのファンの皆様にとっても、今回の判決は希望を与えるものとなるでしょう。今後ともウルトラマンシリーズをどうぞよろしくお願いいたします。
会社情報
- 会社名
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株式会社円谷プロダクション
- 住所
- 東京都渋谷区南平台町16−17渋谷ガーデンタワー
- 電話番号
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