経済危機に立ち向かうベネズエラ人への支援
昨今、ベネズエラは前例にない経済危機に苦しんでいます。国民の95%が貧困にあり、およそ4分の1が難民として国外へ脱出しています。この状況に対処するために、NPOメディア「ganas」は、5年前に『命のスペイン語レッスン』というプログラムをスタートしました。この取り組みは、経済が崩壊したベネズエラの人々を支援するだけでなく、受講生にもスペイン語を学ぶチャンスを提供しています。
プログラムの概要
『命のスペイン語レッスン』は、ベネズエラ国内にとどまる講師陣からマンツーマンでスペイン語を学ぶことができるオンライン講座です。受講期間は2025年5月8日から10月31日まで。今年度14期生の募集が始まり、過去5年間で977名がこのプログラムに参加しています。
講師は全員がスペイン語を教えるための訓練を受けており、質の高いレッスンが提供されています。受講者は初心者から上級者まで、自分のレベルに合わせて学習することができます。プログラムの受講料金は、受講者の支援が直接ベネズエラの経済に貢献する形になっています。
ベネズエラの現状
ベネズエラは、10年以上続く経済危機に直面しており、GDPはわずか3年で半減、国民の生活は困難を極めています。特に、80%を超えるインフレ率が続き、国民の多くは毎日の食料を手に入れることすら一苦労です。生活のために仕事を探すことができず、多くの人が途方に暮れています。
また、ベネズエラでは治安の悪化も深刻で、犯罪の増加が国民の不安を煽っています。難民として国外に逃げる人々の数は増加し続け、多くは危険な道を選ばなければならないという現実があります。困難な状況に直面する彼らにとって、少しでも生活を支える手段が必要です。
国際協力の新しい形
『命のスペイン語レッスン』は、単なる語学教育ではなく、受講者にベネズエラの文化や政治、経済に関する実情を知る機会も提供します。これは、特に国際協力に興味がある学生や社会人にとって貴重な体験であり、彼らの理解を深める手助けとなります。
このプログラムのユニークさは、受講料金の多くがベネズエラの講師に支払われることです。これは、単発の寄付活動とは異なり、持続的な支援の形といえます。受講者からの料金は、講師がその仕事を通じて得られる報酬となり、直接的に彼らの生活を支えることに繋がるのです。
参加方法
レッスンは、2025年5月8日から10月31日の約半年間にわたって行われます。受講者は期間中に自由にレッスンを予約し、マンツーマンで個々のペースで学ぶことが可能です。受講料金は、お試しコースから一般まで複数のプランが提供されています。申し込みはオンラインフォームからも簡単に行うことができます。
まとめ
ベネズエラの危機は単なる遠い国の話ではありません。私たちができる支援方法として『命のスペイン語レッスン』は、語学を学びながら、ベネズエラの人々を支援する新しい形を提案しています。ぜひとも、困難に立ち向かう彼らを応援する機会としてご参加いただければと思います。生まれる国は選べないという現実を忘れずに、少しでも声を届けていきましょう。