新刊『工場大ずかんつくりかたしり隊がいく!』の魅力
株式会社偕成社から、2025年2月3日に発売される新しい絵本『工場大ずかんつくりかたしり隊がいく!』が注目を集めています。人気の理系イラストレーター、うえたに夫婦によって描かれたこの作品は、読者に製造業の面白さを伝えるために企画されています。この絵本には、ポテトチップスや歯ブラシ、牛乳、10円玉など、身近な製品の製造過程をわかりやすく紹介するページがあります。
驚きのリサイクル率
特に目を引くのがポテトチップスの製造段階です。本書では、ポテトチップスの製造工程が詳細に描かれています。なんと、じゃがいもについている土や皮など、廃棄物の98%がリサイクルされていることが明らかになっています。さらに、工場では熟練者の手によって、焦げたものや皮が付いたチップスが一枚一枚厳しくチェックされ、品質が保たれている様子がリアルに表現されています。
また、高速スライサーが特定の厚さにじゃがいもをカットする工程も紹介されており、読者は普段何気なく食べているポテトチップスの裏側を知ることができます。こういった情報は、子どもたちが食品の生産に興味を持つきっかけにもなるでしょう。
工場の俯瞰図で全貌を理解
本書の大きな特徴は、工場の構造を俯瞰図で理解できることです。製造工程にそった工場の様子が一目瞭然で、どこで何が行われているのかがわかります。特に、ポテトチップス工場のページでは、自動選別機の存在にも触れられており、空気銃で不良品を撃ち落とす様子が描かれています。このような驚くべき機械の働きを知ることができるのも、絵本ならではの魅力です。
理系イラストレーターならではの視点
著者のうえたに夫婦は、実際に工場を訪れて取材を行い、その際に受けた印象や工場の人々との対話をもとにページを構成しています。理系的な視点で伝えられる情報は、一般消費者にはあまり知られていない製品の秘密を豊かに表現しています。例えば、「ビー玉工場」の取材では、ビー玉が長いレールでころころ転がって冷やされる様子が描かれ、工場の楽しさや驚きが感じられる内容になっています。
幅広い読者層におすすめ
この絵本は、工場見学が好きな子どもたちはもちろん、ものづくりや機械に興味がある大人にとっても楽しめる内容です。身近なものの製造過程を知ることで、日常生活のなかの製品への見方が変わるかもしれません。そして、工場での様々な工夫やこだわりを知ることで、未来のものづくりに興味をもつきっかけとなることを願っています。
新刊『工場大ずかんつくりかたしり隊がいく!』は、理系イラストレーターとしての力量を存分に発揮した一冊で、絵本を通じて製造業の魅力を発信しています。ぜひ手にとって、その内容を楽しんでみてください。