企業の27・28卒採用動向を探る
株式会社ベネッセコーポレーションとパーソルキャリア株式会社が合弁で設立した株式会社ベネッセi-キャリアが、学生のキャリアサポートを目的とした新卒オファーサービス「dodaキャンパス」を運営しています。最近の調査では、2027年および2028年卒の採用活動に関する企業動向が明らかになりました。調査は、27卒の最終面談や内定時期を前倒しした企業が多い一方、28卒ではその傾向が薄れつつあることを示しています。
27卒の採用活動についてのインサイト
調査によると、2027年卒の採用活動において、7割近くの企業が内定および内々定を出す時期を前倒しして実施しています。具体的には、71.2%の企業が内定の時期を、70.0%が最終面談の時期を前倒ししたという結果が報告されています。このように時期の前倒しが進む背景には、企業側が「母集団の量が増えた」というメリットを感じているためです。
しかし、逆にこの前倒しには人事部門への負担が増えるというデメリットも存在します。実際、約7割の企業が採用活動の長期化に伴い、現場への負担が大きくなっていることを指摘しています。
28卒の採用活動の現状
一方、2028年卒の採用活動については、前倒し実施予定のない企業が32.2%という結果となり、前年度に比べて採用の施策に対する考え方が変化しつつあることが伺えます。95%以上の企業が28卒に向けての採用活動を予定しており、53.6%の企業がインターンシップ前の接点を持つ計画をしていますが、低学年学生との接点は約1割にとどまっています。
雇用状況と企業の課題
また、調査では、最も早く内定を出す企業は大学3年次12月が多く、全体の52.2%がそれ以前に内定を出す傾向にあります。しかし、採用目標に対する内定承諾人数が40%未満という企業も多く、活動の前倒しが必ずしも採用成功につながっていない実態も浮き彫りになっています。これらの結果から、企業は内々定を早く出すことを重視しすぎるあまり、入社後のミスマッチを引き起こす可能性が高まる情報が得られました。
今後の展望と学生の意識
dodaキャンパス編集長の川嶋由美子氏は、今回の調査結果を踏まえ、採用活動の早期化が進む中で、学生が重視するのは早期内定ではなく、納得のいく進路選択へと変化していることを強調しています。企業には、初期接点から内定後フォローまでの質を高め、学生との信頼関係を築くことが求められます。
今後は、AIを活用することで業務を効率化し、人間だからこそ実現できる対話を大切にすることで、より良い採用活動の実現が目指されます。結果として、企業が求める人材の質も向上し、採用の効率も改善されるでしょう。
このように、企業が採用活動の早期化に乗り出す一方で、学生のニーズにしっかり応えられる体制を整えることが、今後の課題となることでしょう。