日機装株式会社は、2026年1月から米国市場向け透析装置「DBB-06 PRO」と専用血液回路の販売を開始することを発表しました。この製品の導入は、透析患者数が世界第2位である米国において事業展開を加速させる重要なステップです。
製品の特長
「DBB-06 PRO」は米国における血液透析(HD)の専門装置で、シンプルな操作性と多彩なモニタリング機能を備えています。これにより、医療従事者が質の高い治療を提供しやすくなります。そのなかでも特筆すべきなのは、HD専用装置として初めて搭載された「D-FAS」(Dialysis Full Assist System)機能です。この機能は治療前のプライミング、脱血、返血の操作を全面的に支援し、医療従事者の作業負担を軽減し、ヒューマンエラーの防止に貢献します。
専用血液回路の販売
さらに、同時に販売が開始される「DBB-06 PRO」専用の血液回路は、取り付けが容易で、日機装独自の設計により血液と外部空気の接触面積を抑えています。この血液回路「アーチループ®」シリーズは、本装置と併せて使用するための特別なものであり、米国向け透析装置として「アーチループ®」に対応する初の機種です。
製造と認可情報
本装置および血液回路は、2025年5月に米国食品医薬品局(FDA)から510(k)クリアランスを取得しています。主要な製造は金沢製作所で行われ、血液回路の生産はベトナムのホーチミン市とクワンガイ省に加え、一部はタイで製造されます。
米国市場の将来展望
2023年時点で50万人以上の透析患者を抱える米国市場において、今後も血液透析を受ける患者は増加すると予想されています。これに伴い、医療従事者の負担軽減や治療の安全性向上を実現する高機能な透析装置の需要が一段と高まるでしょう。日機装は「DBB-06 PRO」の販売を契機に、米国市場での透析部門の成長を加速させるとともに、さらなる製品ラインナップの拡充にも注力していく方針です。
日機装の技術と取り組み
日機装は、50年以上にわたる透析関連製品の開発と提供を通じて培った技術力を活かし、世界中の透析患者のQOL(生活の質)向上を目指して活動しています。新たな装置の登場は、その真摯な取り組みの一環であり、今後も医療分野での革新を続けていくことでしょう。
会社概要
- - 会社名: 日機装株式会社
- - 所在地: 東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号恵比寿ガーデンプレイスタワー22階
- - 創業: 1953年12月26日
- - 代表者: 代表取締役 社長執行役員 加藤 孝一
- - 事業内容: 産業用特殊ポンプ・システム、医療機器、航空機部品等の製造・販売
- - URL: https://www.nikkiso.co.jp/