暗号検証AIの未来
2025-11-04 17:36:30

AIエージェントで進化する暗号プロトコルの形式検証の未来

AIエージェントで進化する暗号プロトコルの形式検証の未来



一般社団法人Nyx Foundation(東京都文京区)は、暗号プロトコルの形式検証をAIエージェントによって自動化することに成功しました。この取り組みは、暗号の仕様の正当性や安全性を数学的に証明する新たな可能性を示しています。

暗号プロトコルの形式検証とは何か?


暗号プロトコルの形式検証は、プロトコルの安全性や仕様の正当性を数学的に証明するための枠組みです。Leanという定理証明支援系プログラミング言語を用いることで、形式的な証明を行います。従来は、人間が数学的証明を行っていましたが、暗号プロトコルがより複雑化する中で、安全性を保証するための証明がしばしば誤っていることが問題視されています。実際に、長年安全性が確認されたプロトコルであっても、不備が指摘される事例が後を絶ちません。

形式検証の複雑さは高まっており、専門家でさえ証明の記述や理解が困難になることもあります。そこで、AIを活用した形式手法を取り入れることで、より厳密に証明を記述・検証できるようになるのです。

AIエージェントによる検証の自動化


Nyx Foundationは、耐量子暗号の一部形式的安全性証明を行うAIエージェントを開発しました。具体的には、XMSSと呼ばれるハッシュベース署名スキームのエンコーディングスキームの命題を、Lean言語にて形式的に証明しました。この取り組みは大幅にプロセスを自動化し、煩雑な手続きを簡素化しています。

自動化プロセスの詳細


本エージェントのワークフローは次のように構成されています:
  • - 自然言語による非形式証明の生成 - 修正が必要な部分を特定し、査読を通じて評価します。
  • - 暗号特化のチェックリストに基づく査読者ロールによる採否判定 - 採用された草案がLeanにて自動形式化されます。
  • - 選ばれた草案をLeanでの型検査・証明検証 - 二段階のゲート設計を採用し、効率的かつ高品質な証明を実現します。

この方法により、Lean検証成功率を測定し、品質を評価することが可能です。これまで多くの研究がAIにより数学的証明の自動化を試みてきましたが、暗号学分野への具体的な適用が少なかったため、この研究の重要性が際立っています。

今後の展望と計画


この取り組みは2025年11月に国際会議『24th International Conference on Cryptology and Network Security (CANS2025)』で発表される予定です。また、プロジェクトはオープンソース化される計画があり、さらなる精度向上に向けた開発が進められます。

Nyx Foundationは、高度な形式検証技術を用いて、AIエージェントによる形式検証の自動化を推進しています。これにより、暗号学の分野における理論の進展や実践への応用が期待できます。

Nyx Foundationとは?


一般社団法人Nyx Foundationは、イーサリアム・ブロックチェーンに特化した私設研究機関であり、活動資金は寄付や研究助成金、スポンサーシップから得ています。これまでの成果は、イーサリアム財団やブロックチェーン企業、大学との共同研究や発表を通じて広がっています。さらなる情報や支援は、公式ウェブサイトや寄付ページを通じて行われています。詳細については、Nyx Foundationの公式ホームページを訪問してください。


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会社情報

会社名
一般社団法人 Nyx Foundation
住所
東京都 文京区 本郷6丁目26番10号本郷ニューハウジング本郷ニューハウジング202
電話番号

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