競走馬の健康管理を革新するaiwellの新たな挑戦

aiwell株式会社の新たな挑戦

aiwell株式会社は、競走馬が感染するロドコッカス感染症に特化した検査キットの開発に乗り出しました。この病気は、特に月齢1〜6ヶ月の仔馬において肺炎や腸炎を引き起こす危険な細菌感染症で、早期の診断が難しいことが問題視されています。診断が遅れると高い死亡率を伴うため、馬産業においては経済的な損失を引き起こす要因となっているのです。

aiwellの技術力

aiwellは、「aiwell IPA」と呼ばれるタンパク質解析技術を駆使し、ロドコッカス感染症のバイオマーカーを発見しました。この技術は、国立東京工業大学が開発したもので、二次元電気泳動を用い、豊富なデータをAIで解析することで特徴的なタンパク質の変化を発見することができます。これにより、従来より短期間かつ低コストでバイオマーカーを探索することが可能になりました。

検査キットの開発

aiwellは、発見されたバイオマーカーを基にした検査キットの開発を進めています。抗体や抗原など、生体分子の調達に関する検討が行われており、現在複数の関連企業と協議中です。この検査キットにより、国内の約8,000頭、海外では約90,000頭の競走馬をターゲットにした市場への導入が計画されています。

ワクチン開発の可能性

さらに、aiwellは検査キットに加え、このバイオマーカーを用いてロドコッカス感染症を抑えるワクチンや治療薬の開発をも目指しています。現在、動物創薬に取り組むパートナー企業の探索を行っており、今後の進展が期待されています。

資金調達と今後の展望

aiwellは、これらのプロジェクトを支えるために資金調達を進めています。現在、シリーズAラウンドの調達を完了し、2025年内から年明けにかけてシリーズBラウンドの資金調達を開始する計画です。

aiwell株式会社の概要

2018年に設立されたaiwell株式会社は、東京都千代田区に本社を置き、馬だけでなく牛や豚、有機農産物の分野にもサービスを提供しています。同社は現在、新川崎にプロテオミクスイノベーションセンター（PIC）を設立し、様々なニーズに応える技術提供に力を入れています。三件の特許を保有し、今後も技術革新を続けていくことを目指しています。

aiwellの取り組みは、競走馬だけでなく、動物全般の健康管理に新たな可能性をもたらすことでしょう。彼らの成果が期待されます。

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