ジェイファーマ、57.7億円の資金調達を成功させ新薬開発を加速
ジェイファーマ、57.7億円の資金調達を成功させ新薬開発を加速
ジェイファーマ株式会社が、2024年6月からのEラウンドエクステンションを通じて、国内外の投資家から合計37.7億円を調達し、さらに日本医療研究開発機構(AMED)から最大20億円の補助金を獲得しました。この結果、2024年6月以降の資金調達総額は最大57.7億円に達し、累計調達額は約130億円に上ります。
資金調達の背景
今回の資金調達の目的は、LAT1阻害剤である「ナンブランラト」と「JPH034」の研究開発を推進することです。「ナンブランラト」は、難治性胆道がん患者を対象とした国内第2相臨床試験に成功しており、2024年度第2四半期には米国FDAとグローバル臨床第3相試験のデザインに合意する見込みです。ジェイファーマは、2025年度中にこの試験を開始し、2030年度のグローバル承認を目指しています。
一方、JPH034は多発性硬化症に焦点を当てたLAT1阻害剤であり、2025年度に米国FDAへのInvestigational New Drug(IND)申請および第1相臨床試験の開始を目指しています。これにより、国際的な展開が期待されており、世界中の患者に新たな治療の可能性を提供することが見込まれています。
資金の使途
調達した資金は、ナンブランラトのグローバル第3相臨床試験や非臨床・臨床試験、JPH034の米国におけるIND申請と第1相臨床試験、さらにLAT1を標的とした新薬開発や診断技術の研究に活用される予定です。加えて、経営体制の強化にも投資される見込みです。
引受先のコメント
ジェイファーマの取締役社長、吉武益広は、今回の資金調達について『出資していただいた投資家の皆様には感謝申し上げます。この評価を受けて、私たちはより一層、LAT1阻害剤の開発を進めてまいります。』と述べています。さらに、取締役CFOの藤本裕は、『このたびの大規模な資金調達を実現できたことを心より感謝しております。今後も事業運営を推進し、薬剤の承認に向けて努力を続けます。』と意気込みを語りました。
期待される新薬「ナンブランラト」と「JPH034」
ナンブランラトは、選択的にLAT1を阻害する低分子化合物であり、胆道がんへの治療効果が期待されています。これまでの研究では、単剤で有用な臨床効果を示しており、FDAからオーファンドラッグに指定されています。JPH034は、中枢神経系の自己免疫疾患への新たな選択肢となる可能性が高く、特に再発寛解型多発性硬化症において、ミクログリアの活動を調節する新薬としての期待が寄せられています。
今後の展望
ジェイファーマは、当社の理念である『SLCトランスポーターの新たな可能性を追求』し、世界中の患者様のニーズに応えるための革新を続けています。今後も、国内外での治療薬の実用化を目指し、持続的な成長を目指して邁進していくことでしょう。今回の資金調達により、医療現場における課題解決への道が開かれ、患者様に希望をもたらす存在になることが期待されます。
会社情報
- 会社名
-
ジェイファーマ株式会社
- 住所
- 神奈川県横浜市鶴見区小野町75番1号横浜新技術創造館1号館308号
- 電話番号
-