3次元映像生成の新たな一歩
中部電力株式会社技術開発本部と、META PLANNING株式会社、株式会社UPHASHが手を組み、次世代の3D映像生成技術の研究開発に注力しています。この協力により、AI技術を駆使した高精度で、かつ低コストな3D映像を実現し、デジタルツインやメタバースの活用を見据えた取り組みが進められています。
背景と現状
近年、デジタルツインやメタバースなどの新技術が注目を集めています。それに伴い、裸眼でも楽しめる3D映像機器の開発が進展し、3D映像に対するニーズが高まっています。しかしながら、従来の3D映像制作は多くの工程を必要とし、制作期間が長引く傾向にあります。これを解決するため、本研究ではAI技術を用い、複数の写真から短時間で3D映像を生成することを目指しています。
高画質で低コストな生成技術
AIを利用した最新技術「GaussianSplatting」により、高画質の3D映像が迅速に生成可能です。この技術は、実際の人や物の映像から高速で3D映像を生成できるため、コストの削減にも寄与します。また、背景の情報も取り込むことができ、よりリアルな映像制作が実現します。
利用シーンと応用可能性
この新たな技術は、主にデジタルツインやメタバースでの利用が期待されています。具体的には、施設や設備のBIM(Building Information Modeling)やCIM(Civil Information Modeling)での活用が見込まれています。また、広大なデータを元に3D映像を生成する能力を持ち、例えば東京ドームの1.5倍の面積にわたるデータからも質の高い映像を作成することが可能です。
最新技術での成果
具体的な成果として、中部電力の技術開発本部内の空間を3D映像として具体化した例が挙げられます。Unreal Engineを活用して高品質な研究環境の再現を行い、実際の試行が困難な構造物や目に見えない物の可視化も可能になります。
今後の展望
今後は、生成された3D映像を用いて実験やイベントの記録など多用途での活用が見込まれています。また、再現した空間内で記録した実験の再現も可能となり、研究者たちはこの技術の革新を早期に取り入れることが求められています。
研究者たちの視点
中部電力の岡本主任は、「3Dテクノロジーが様々な分野で活用される未来が待っている」と語ります。一方、UPHASHの今井代表は、特にゲームやVFX映像に特化した技術を活かし、新たなソリューションの提供を目指しています。
このように、企業が共同で進める取り組みは、社会全体のデジタル化を促進し、より良い未来を築くために重要なステップと言えるでしょう。
企業情報
中部電力株式会社 技術開発本部
- - 所在地: 名古屋市緑区大高町字北関山20-1
- - 公式HP: 中部電力株式会社
META PLANNING株式会社
株式会社UPHASH
- - 所在地: 佐賀県佐賀市卸本町6-1
- - 公式HP: UPHASH