山口産業が全社員対象の給与改定を実施、賃金平均9.6%アップ

山口産業が実施する賃金改定の詳細

山口県宇部市の山口産業株式会社は、2024年度より全グループ社員に向けた給与改定を行うことを発表しました。この改定の目的は、社員の生計の安定を図ると共に、企業全体の生産性向上と新たな事業領域への進出を目指すものです。

賃金アップの背景

近年の物価上昇の影響を受け、社員の働く環境を改善することが急務となっています。山口産業は、基幹事業の維持・強化を図りつつも、新規事業の育成を進めています。このような環境の中、各社員が能力を最大限に発揮できる職場環境を整備することで、持続的な成長を目指す姿勢を強調しています。

実施内容の概要

1. 月例基本給の改定

全社員の月例基本給を一律14,000円以上増額し、全正社員の平均賃金は約7%上昇すると見込まれています。さらに、定期昇給分を含むと、全社員の賃金は平均で約9.6%アップする見込みです。

2. 各種手当の廃止

社会の流れを反映し、女性活躍推進に基づき、家族手当や住宅手当を廃止し、これらの手当を月例基本給に統合しました。

3. 賞与の改定

昨年の賞与実績は平均約4.8か月分でしたが、月例基本給の増額により、今年度の賞与基礎額も増加する見込みです。

4. 新卒初任給の引き上げ

2024年4月より新卒の初任給も改定されます。高校卒が181,000円、大学卒が219,100円、大学院卒が225,900円に引き上げられます。

福利厚生制度の強化

山口産業は、福利厚生の充実を図るため、「福利厚生倶楽部」を2024年3月1日に導入します。この制度により、年齢層や勤務地に関係なく、全ての社員が利用できるサービスを提供することを目指しています。また、社員旅行や社員割引制度の導入も予定しています。

採用状況

同社は新卒の採用を継続して行っており、2024年4月には10名が新たに入社しました。前年度には16名のキャリア採用も実施されています。

山口産業の役割と将来展望

山口産業は、山口宇部に拠点を持つ総合商社であり、エネルギーや潤滑油の供給、IT事業など多様な事業を展開しています。各事業が融合し、柔軟なビジネス展開が可能です。今後も社員一人ひとりの能力を引き出し、企業のさらなる成長を図っていくことを宣言しています。

山口産業株式会社の代表取締役社長、福重晋作氏は「この賃金改定は、全ての社員の働きがいを高めるだけでなく、企業としての競争力を強化するための重要なステップです」とコメントしています。これにより、社員全体の意欲向上や企業価値の向上が期待されています。