ソシウム社と中国企業、協業契約を締結
2023年、ソシウム株式会社は中国の苏州铂莱特医药科技有限公司との協業契約を締結しました。この契約により、両企業は創薬に向けた取り組みを強化し、特に治療薬の早期発見に注力していく方針です。日本と中国の知見を融合させ、新薬の開発を加速させることが期待されています。
協業契約の主なポイント
この協業契約の内容は主に以下の三つの事業から構成されています。
1.
リン酸化アレイ解析サービス事業
ソシウム社が独自に開発したリン酸化解析システム「Phospho-Totum」を用いて、細胞中のリン酸化状態の網羅的計測を行います。この技術は、治療薬のターゲットキナーゼの推定に役立ち、創薬の効率を高めるものです。
2.
治療薬シーズの発見・開発事業
両社は、既存薬の改善に向けたドラッグ・リポジショニングのアプローチを活用し、新たな治療薬の候補を発見していきます。特に、薬効の確認においては、苏州铂莱特医药科技有限公司の合成展開技術と薬効検証技術を取り入れ、実践的な成果を効果的に導出する戦略を採っています。
3.
医師主導治験の実施事業
発見した治療薬シーズについては、中国内のアカデミー付属病院群で医師主導の治験を実施します。これにより早期にヒトPoC(Proof of Concept)を獲得し、臨床研究への迅速な進行が見込まれます。
苏州铂莱特医药科技有限公司とは
この会社は南京医科大学薬学院の陈冬寅教授が率いる若手研究者たちによって設立された創薬ベンチャーです。特に、既存薬の本質的な改善を目指したアプローチにより、明確な治療効果を持つ新薬の開発に取り組んでいます。ソシウム社との協力を通じて、より確度の高い治療薬が戦略的かつ早期に発見されることを期待されています。
期待される今後の展開
この協業により、日中両国の研究者たちが手を組み、豊富な知識と経験を持つ医療機関と密に連携することで創薬エコシステムが構築される見込みです。特に、希少疾患における治療薬候補の発見が加速し、その結果、患者の医療ニーズをより早く満たすことができるでしょう。
今後、ソシウム社の進展や新たな治療薬シーズの発見に目が離せません。日本と中国の創薬分野に注目が集まる中、両者の戦略的な協力関係がどのように進展するか、多くの期待が寄せられています。