新たな居場所「ことばの庭」が開設
経済的な困難や家庭の事情により、孤立しがちな子供たちを支援する新しいプログラム「ことばの庭」がスタートします。このプログラムは、ひとり親家庭や困窮家庭の小中学生を対象に、日中に安心して過ごせる場所を提供することを目的としています。
取り組みの背景
「学ぶ」「遊ぶ」「出かける」という日常的な体験は、子供たちにとって非常に重要です。しかし、経済的な困難からこれらの経験が制限されることがあります。特に、ひとり親家庭や困窮家庭の子供たちは、こうした経験から遠ざかり、孤立感を抱えることが多いのです。
NPO法人「こどもサポートステーション・たねとしずく」は、地域における子供たちの居場所作りに取り組んできました。そして2025年度からは新たに「ことばの庭」を立ち上げ、家庭や学校とは異なる安心感を提供します。このプログラムは、子供たちの学びと心を支えるためのものです。
アンケートに見る現在の実態
「ことばの庭」のスタートに先立ち、ひとり親家庭を対象にしたアンケートが実施されました。そこで明らかになったのは、非常に深刻な実情です。アンサンプルの74名中約45%が「不登校または行きしぶりがある」と回答し、平日日中に「ひとりで過ごしている子供」は4割にも上ります。さらに、保護者の約41.7%が「進路の心配」を、36.1%が「精神面や発達面の不安」を抱えていることが示されました。このことから、日常的に子供を支える仕組みが求められていることがわかります。
「平日昼間、誰にも見守られず、ただ家で過ごす子供たちがこんなにもいる…」という現状に「ことばの庭」は光を当て、社会に対して問いかける新たな試みです。
「ことばの庭」が目指すもの
「ことばの庭」は、ひとり親家庭や困窮家庭の小中学生を対象にした居場所プログラムです。以下のような活動が行われます:
- - 絵本の読み聞かせ
- - アート体験
- - 学びの時間
- - 地域での外出
これらを通じて、「好き」「得意」「つながり」を育むことを目的としています。「ことば」は自由にやりとりできる安心の場であり、「庭」はのびのびと成長できる場所という願いが込められています。
事業の詳細
- - プログラム名:ことばの庭
- - 対象:ひとり親家庭・困窮家庭の小中学生
- - 定員:8名程度
- - 開催日:毎週水・木・金曜日
- - 時間:10:00~14:00
- - 場所:たねとしずくライブラリー(兵庫県西宮市六湛寺町12-5)
- - 費用:無料(外出時の交通費や入館料の実費は負担)
- - 期間:2025年4月~2026年3月
- - 財源:こども家庭庁・文部科学省「こどもの未来応援基金」
併設事業「まなびのとびら」
加えて、当法人では中高生を対象とした「まなびのとびら」も実施します。これは、経済的な理由で塾に通えない中高生や不登校で支援が得にくい子供たちへの学習サポートを行うものです。このプログラムでは、居場所としての学習支援が提供されます。
まなびのとびらの詳細
- - プログラム内容:週3回の居場所型学習支援(教材・軽食あり)
- - 対象:困窮家庭の中高生
- - 実施場所:たねとしずくライブラリー
- - 期間:2025年4月〜2026年3月
- - 助成:独立行政法人福祉医療機構「WAM助成」
子どもたちの未来を支える
地域で「学ぶ力」を支え、次のステップへ踏み出す力に変えていきます。私たちの挑戦が、困難を抱える子供たちに小さな光をもたらすことを願っています。
お問い合わせ先
NPO法人こどもサポートステーション・たねとしずく
私たちの取り組みが、こどもたちの日常を取り戻す手助けとなることを、取材でご一緒に見届けていただければ幸いです。