日東工業が挑むプラスチック循環利用の実証実験
愛知県長久手市に本社を置く日東工業株式会社が、愛知県瀬戸市で実施されるプラスチック循環利用の実証実験に参画することが発表されました。このプロジェクトは、プラスチック廃棄物の分別と再生をデジタル技術を活用して行い、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなります。
実証実験の概要
プロジェクトは、日東工業を含む複数の企業と瀬戸市役所によって構成されています。実験では、瀬戸市内の事業場から排出される使用済みプラスチックを取り扱います。株式会社リコーの開発した樹脂判別ハンディセンサーを用いて、プラスチックを効率的に分別・回収。これにより、ポリ袋に再生し、市内での活用が図られます。このセンサーは、近赤外線を用いてポリエチレンやポリプロピレンなど複数の樹脂を判別できるため、作業が非常に効率的です。
各関係者の役割
- - 日東工業株式会社: 使用済みプラスチックの分別と提供を担い、主にポリエチレン製の軟質プラスチックを選別します。
- - 株式会社リコー: センサーの提供とともに、デジタルサービスの開発を進め、廃棄物発生量やCO2排出量のデータの定量化を行います。
- - リンナイ株式会社: プラスチックの分別作業に参加。
- - 株式会社宮崎: 軟質プラスチックの回収・運搬を行い、効率的な集配を実現。
- - 三陽化学株式会社: プラスチックに含まれる不純物を除去し、品質を向上させた原料を再生します。
- - 愛知プラスチックス工業株式会社: 再生ポリ袋の製造にあたり、原料の配合割合を調整。
- - 瀬戸市役所: 地域の清掃活動などでの再生ポリ袋の活用方法を検討します。
期待される効果
この実証実験を通じて、廃棄物発生量の削減とプラスチック資源の有効利用が期待されています。同時に、分別・回収に伴うCO2排出量の削減も狙っています。これらの成果は、地域の環境への貢献に留まらず、企業の社会的責任を果たすことにもつながります。
今後の展望
実証実験の結果を基に、改善点や課題を整理し、来年度の事業化を見据える計画です。また、使用済みプラスチックの排出を行う事業者の参加を広く呼びかける方針です。最終的には、製造された再生ポリ袋は清掃活動などで活用され、地域住民の環境意識向上にも寄与することが期待されます。
サーキュラーエコノミーの理念
この取り組みは、従来の3R(リデュース・リユース・リサイクル)だけではなく、資源の投入量を減らし、その価値を最大化する新たな経済モデル、サーキュラーエコノミーに基づいています。このプロジェクトは愛知県の「サーキュラーエコノミー推進プラン」に基づき、広く産官学での連携を図っています。
日東工業が目指すのは『地球の未来に「信頼と安心」を届ける』という理念に基づく持続可能な社会です。今回の実証実験は、その一環として大きな意義を持ち、地域社会に新たな価値を創造することになるでしょう。