速水林業とバイウィル、森林クレジットの創出へ
2024年9月7日、株式会社バイウィルが三重県の速水林業と共にJ-クレジットの創出に向けての契約を結びました。これにより、速水林業が管理する森林での温室効果ガス削減の活動が一段と強化され、持続可能な森林管理と地域の脱炭素化が促進されることが期待されます。
J-クレジット制度とその意義
J-クレジットとは、企業が行う脱炭素活動によって得られた温室効果ガスの排出削減量や吸収量を国が認証する制度です。発行されたクレジットは他の企業に販売され、それを購入した企業は自社の排出量をオフセットすることができます。この仕組みにより、環境価値と経済価値が両立することが可能になります。
今回は、バイウィルが速水林業の森からのCO2吸収量をJ-クレジットとして申請する際の手続きや費用を負担し、さらに販売先の探索も一手に引き受けることで、速水林業の取り組みを支援します。算定では、速水林業が管理する森林からは、約37,277トンのCO2の吸収量を見込んでおり、プロジェクトは2025年度中頃の登録を目指して進行中です。
環境保全と地域貢献の相乗効果
速水林業の代表である速水亨氏は、森林経営に対する深い理解と情熱を持つ持続可能な林業の実践者です。彼の会社は江戸時代に創業し、現在では約1070ヘクタールの森林を所有しています。「尾鷲ヒノキ」をはじめとする貴重な資源を育てる中で、環境に配慮した経営に努めています。
今回の契約によって、速水林業が生成するJ-クレジットの販売収益は、さらなる森林保全活動に充てられる予定です。そして、地域の脱炭素化を優先するアプローチにより、地元経済にも良い影響をもたらすことが期待されています。
取り組みの背景と今後の展開
カーボンニュートラルを実現するためには、多くの企業がカーボンオフセットを積極的に利用する必要があります。しかし、クレジットの創出には費用や手間がかかるため、様々な支援が求められています。そこで、バイウィルは手続きの煩雑さを解消し、クレジットの創出と流通のサポートを行うことにしました。これにより、地域の事業者や個人が積極的に脱炭素活動に参加できるようになる期待が持たれています。
持続可能な林業の未来を切り開く
速水林業は、FSC認証を受けた森林管理を実践しており、環境保全に寄与することを長年にわたって大切にしてきました。今後も、このような取り組みが拡大することで、持続可能な森林経営のモデルケースとして、全国に広がることが期待されます。地域の環境を守り、未来世代に持続可能な社会を引き継ぐために、速水林業とバイウィルの取り組みは重要な一歩となるでしょう。
【速水林業概要】
- - 住所: 三重県北牟婁郡紀北町引本浦345
- - 創業: 1790年
- - 活動内容: 森林整備
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【バイウィル会社概要】
- - 住所: 東京都中央区日本橋2-3-21群馬ビル6階
- - 設立: 2013年11月
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