ベトナムにおける木造建築の未来を探る
ライフデザイン・カバヤ株式会社は、2024年11月にベトナムのTran Duc社と木造建築の普及と国際市場への拡大を目指すMOU(覚書)を締結しました。この重要な提携は、木質建材の開発や設計技術の協力を通じて、持続可能な建築を推進することを目指しています。
MOUとその背景
このMOUの締結は、Tran Duc社がホーチミン市に本社を置く木質系企業であり、2001年の設立以来、熱帯気候に最適化された木材処理技術を駆使し、木造建材や木質製品を展開してきた背景があります。特に、Tran Duc社は東南アジアで唯一のCLT(直交集成材)製造業者であり、木材を中心とした様々な建築物の設計・施工を手掛けています。
2024年11月22日、Tran Duc社のリゾート施設「An Lam Retreats Saigon River」において開催された『NetZero Summit 2024』の一環として、このMOUが正式に締結されました。このサミットは、ネットゼロの目標達成を目指し、ベトナム国内外から多くの関係者が参加しました。
協力の枠組み
ライフデザイン・カバヤは、MOUの中でTran Duc社からCLTおよびGLT(接着集成材)を供給されることとなりました。この協力関係により、設計から施工、運営までの幅広い技術協力や共同研究が進むことで、木造建築のプロジェクトが加速される見込みです。
日本への視察
12月には、Tran Duc社の関係者が日本を訪れ、ポラテック株式会社や竹中工務店、院庄林業株式会社などで日本の木造技術やその応用を視察しました。この視察は、両国間での技術交流の重要な一歩となりました。
産官学連携の重要性
ライフデザイン・カバヤが締結したMOUにより、ベトナムにおける産官学連携体制が構築されました。この連携は、現地のさまざまな企業や大学と協力し、木造建築の普及に向けた技術協力や研究開発を進めるものです。具体的には、ベトナム建設部傘下の建設科学技術所(IBST)やハノイ交通運輸大学、ハノイ建設大学との共同研究が計画されています。
産官学の三位一体での取り組み
- - 産: Tran Duc社との技術協力と共同研究
- - 官: 建設科学技術所との規格・基準づくり
- - 学: 大学との職業訓練や教育プログラムの実施
ライフデザイン・カバヤのビジョン
1972年に岡山で設立されたライフデザイン・カバヤは、現在、低層住宅の設計・施工だけでなく、環境に優しい新建材の開発や不動産事業など多岐にわたる事業を展開しています。特に木造建築分野での技術力を生かし、国際的にも持続可能な建築文化の推進に寄与しています。
まとめ
ベトナムにおける木造建築の未来は、ライフデザイン・カバヤとTran Duc社の協力によってさらに広がることでしょう。持続可能な建材の開発や質の高い技術の推進を通じて、国際的な建築市場において重要な役割を果たすことが期待されます。今後の動きから目が離せません。