AIコーチングで変わる新しい人材開発の未来とは？千葉興業銀行の取り組み

AIコーチング導入の背景と現状

千葉興業銀行は、地域に密着した金融機関として、設立以来の目標として千葉県の経済発展に貢献してきました。その中で、人材育成は重要な要素として位置付けられています。近年、同銀行はAIコーチングサービス「CoachAmit」を導入し、自律成長を促す新たな人材育成戦略に挑んでいます。

人材育成に対する新たなアプローチ

同行の人事部では、「学習」「共感」「自律・協働」をキーワードにした人材育成を目指していますが、従来のティーチング中心のアプローチでは、従業員が自立し、協力する力を育むことが難しいとの懸念が高まっていました。この問題に対して、特に注目されたのがコーチングの導入です。

OJTの課題とAIコーチングの必要性

OJT（オン・ザ・ジョブ・トレーニング）では、上司からの振り返り支援やフィードバックが特に重視されています。ただ、これらは上司自身が実践することが重要であり、そのための体験を積む必要があります。このような課題感から、AIコーチングの導入が検討されました。

CoachAmitの特徴

「CoachAmit」の導入に至った最大の理由は、心理的障壁が低く、質問に気軽に回答できる特性です。従来の対人コーチングでは、人的リソースやコストの面で負担が大きく、導入が困難でしたが、AIサービスの導入によりコストを抑えつつ、従業員に対して手軽にサポートを提供できる環境が整いました。また、AIコーチングによって思考が整理され、自身と向き合う力が養われることも大きな魅力です。

実際の活用状況

現在、千葉興業銀行では100名を超える行員が「CoachAmit」を利用しています。行員からは「自分自身と向き合う時間ができた」「振り返りを行う習慣ができた」といったポジティブなフィードバックが寄せられています。これにより、部下から上司へのフィードバックも活発化し、組織全体のコミュニケーションが円滑になることが期待されています。

人材育成の未来に向けた期待

AIコーチングの導入においては、行員が自発的に思考を深めることができ、自身への問いかけ力が向上することがポイントです。これが将来的に、銀行の人材育成戦略を具現化する力につながると考えられています。また、コーチングを受けることにより、思考力の強化が図られ、より自己成長を促進できる環境が整います。

登壇者の紹介

対談には、千葉興業銀行の人事部人材開発室の加藤陽介室長と鈴木慎一朗上席調査役が参加しました。加藤氏は、営業部門での経験を経て、現在は人材育成の責任者として、部下一人ひとりの成長をサポートする施策に取り組んでいます。鈴木氏は、人事部でのキャリアを築き、特にデジタル技術を活用した育成施策の推進に力を入れている専門家です。