旭川高専、エッジAI設計授業
2024-06-26 11:54:13

旭川高専、メイビスデザインと協働で「エッジAI半導体の設計」授業を初実施!半導体人材育成に新たな一歩

旭川高専、メイビスデザインと協働で「エッジAI半導体の設計」授業を初実施!



旭川工業高等専門学校(以下、旭川高専)は、専攻科1年生向けの科目「集積回路設計」において、授業内容を高度化し、「エッジAI半導体の設計」についてメイビスデザイン株式会社と協働で産学官連携による授業を開始することを発表しました。

従来、旭川高専の教員のみで行っていた授業ですが、半導体高度理系人材育成強化のため、15回(講義・演習)+1回(試験)の授業のうち6回分の授業を産学官連携による実践的な授業に変更しました。

この授業は、エッジAI半導体の設計を学ぶもので、高等教育機関でもほとんど例がない画期的な取り組みです。

# なぜエッジAI半導体の設計が重要なのか?



近年、人工知能(AI)の進化に伴い、半導体産業の重要性は世界的に高まっています。市場規模は2030年までに約157兆円に達すると予想され、特に半導体産業が根付いていなかった北海道にとっては、Rapidus株式会社の進出によって大きな経済効果が期待されています。

しかし、全国的に半導体産業に携わる人材が不足している状況であり、微細化に伴う回路設計の複雑化により、半導体の設計分野に係る人材不足はさらに深刻化する見込みです。

回路設計には、今後AI半導体需要の増加に伴い、従来の設計技術に加え、人工知能(AI)に関する知識も必要となります。特に、これまでデータセンターなどで行ってきたネットワークを通じたAIの計算は、膨大な電力使用によってエネルギー危機を招くと予測されており、「学習」と「推論」が出来る低消費電力のハードウェア実装(エッジ)AI半導体の需要が急増すると予想されています。

しかしながら、AI半導体を含む先端半導体設計技術者の養成には長い年月を要するのが現状です。AIと半導体の両方の専門知識が必要な開発現場の実践的な内容を学び、早期に人材育成を図ることが求められています。

# 旭川高専とメイビスデザインが連携して開発した実践的な授業



今回の取り組みでは、クラウドでAIの基礎を学んでいる高専生が、エッジAI半導体の回路を実装する基礎を学ぶ授業を企業と連携して開発しました。

準備段階では、メイビスデザインと旭川高専にて授業内容を詳細に検討し、学生に何をどのように教えるかなどについて議論を重ねてきました。6回の授業では、メイビスデザインの技術者によるオンライン授業の他、6月28日、7月26日には、熊本から旭川高専に技術者が来校し実践的な授業を展開します。

設計の授業は大学等でも行われていますが、エッジAIの設計を企業技術者とともに実践を伴った授業に展開させた例は非常に稀です。

# 今後の展開



今回の取り組みは、旭川高専とメイビスデザインが全国に先駆けて授業を共同開発したもので、来年度以降北海道や全国各高専への展開を検討しています。

# 授業内容詳細



授業回 | 日程 | 形式 | 授業内容 | 具体的内容

-|-|-|-|---

11 | 6/14 | 講義 | エッジAI講義 オンライン | 半導体設計・業界の話

12 | 6/18 | 演習 | エッジAI講義 オンライン | 半導体設計

13 | 6/28 | 演習 | エッジAIデモ オンサイト | HW説明、モデル説明

14 | 7/12 | 演習 | Pythonモデル検討① オンライン | ラズパイ4台でモデルを触る

15 | 7/19 | 演習 | Pythonモデル検討② オンライン | ラズパイ4台でモデルを触る 対話形式

16 | 7/26 | 演習 | HW設計演習 オンサイト | 実機で動作確認

※6月28日(金)、7月26日(金)は熊本より技術者が旭川高専に来校し直接取材が可能です。

# エッジAI半導体の特長



  • - 低消費電力
  • - 小型化
  • - 高速処理
  • - リアルタイム処理

# 旭川工業高等専門学校について



旭川工業高等専門学校は、自ら課題を見出し、解決する能力を身に付け、科学技術の分野で広く社会に貢献し、我が国産業の将来を担える人材の育成を目指した5年一貫教育の工学系高等教育機関です。

未来技術人財育成教育プロジェクトCOMPASS5.0 AI・数理データサイエンス分野の全国拠点校を富山高専とともに(R6年度よりMCC plus拠点校)、半導体分野のブロック拠点校を釧路高専とともに務めております。

# メイビスデザイン株式会社について



メイビスデザインは、半導体設計をはじめとした各種設計開発事業において創業から積み重ねた高度な技術力・設計品質で常に技術の進化に対応し、新たなイノベーションを追求する姿勢で半導体業界でのリーダーシップを維持し、世界中のお客様と共に半導体設計の新たな次元を切り拓いています。熊本の他、新横浜と札幌に設計オフィスを構えています。

旭川高専のエッジAI半導体設計授業、今後の半導体業界を担う人材育成に期待!



旭川高専とメイビスデザインによる「エッジAI半導体の設計」授業は、半導体業界の人材不足という課題に対して、非常に画期的な取り組みだと感じます。

特に、企業の技術者が直接授業を行うという実践的な内容は、学生にとって貴重な経験になるでしょう。企業の現場で求められる知識やスキルを早期に習得することで、将来の活躍に繋がる可能性も高いと感じます。

また、この授業を通して、学生は最新の技術に触れるだけでなく、半導体業界の現状や将来展望について理解を深めることができるでしょう。これは、学生が将来のキャリアを考える上で非常に重要な要素となります。

今回の取り組みは、旭川高専とメイビスデザインの連携によって実現したもので、両者の協力体制が素晴らしいと感じます。企業と教育機関の連携は、人材育成において非常に重要であり、今後もこのような取り組みが全国的に広がっていくことを期待しています。

エッジAI半導体は、IoTや自動運転など、様々な分野で活用が期待されています。この授業を通して育成される人材は、今後の半導体業界を担う重要な役割を担うことになるでしょう。

今回の授業が、学生たちの将来の夢や目標を叶えるきっかけとなることを願っています。

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