テリー・ライリーの全貌を知るディスクガイド
2025年4月30日、音楽界の巨人テリー・ライリーのレコード、CDを網羅したディスクガイド『テリー・ライリー完全版』が株式会社河出書房新社から発売される。ミニマルミュージックの創始者として知られ、現在も精力的に活動を続けるライリーは、その音楽スタイルが広く影響を与え、特にジャズやロック、エレクトロニック音楽の発展に寄与してきた。
本書では、ライリーの多彩な作曲作品を収録しており、代表作である「インC」など数多くの音源が取り上げられている。また、彼の音楽に対するアプローチやスタイルについても詳しく解説されている。特に、第1章ではライリーのキャリアの始まりから、「インC」にまつわるさまざまな演奏を紹介し、彼のスタイルの変遷を辿ることができる。さらに、第3章では彼の幅広い音楽的表現について詳しく掘り下げており、ミニマルミュージックだけにとどまらないその多様性を示している。
久石譲による推薦文
本書の帯には、音楽家・指揮者の久石譲による推薦文が掲載されており、彼は「テリーさんのメロディにはアラビックなニュアンスからアフリカ、アジアまで、さまざまなメロディの要素があり、ジャズの影響も色濃く感じられる」と称賛している。久石は、ライリーの音楽が多くの人々を惹きつける理由を的確に表現している。
テリー・ライリーの広大な音世界
ミニマルミュージックの父として名を馳せるテリー・ライリーの音楽は、1960年代から続く試みと革新の積み重ねによって形成されてきた。本書はその音楽的な旅路を俯瞰し、彼の代表作のみならず、近年の知られざる傑作も取り上げている。特に、彼の作品は世界中の多様な音楽文化と交差しており、その点も本書の魅力の一つである。
特別対談とインタビュー
本書の巻末には、作曲家カール・ストーンとの特別対談が収録されており、ライリーが自身の音楽のルーツやミニマルミュージックの誕生秘話について語っている。また、横尾忠則やヨシダダイキチ、サラ、宮本端といったキーとなる音楽家とのインタビューもあり、ライリーにまつわる豊富なエピソードを通じてその人となりに迫る内容となっている。
まとめ
テリー・ライリーの作品は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやザ・フー、さらには坂本龍一や宇川直宏といったアーティストに多大な影響を与え、今なお多くの人々に響き続けている。『テリー・ライリー完全版』は、彼の音楽の深い理解を促し、自由な作品群を楽しむための最良のガイドとなることでしょう。音楽の持つ力を再認識し、ライリーの音楽的宇宙へと足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
書誌情報
- - 書名:テリー・ライリー完全版
- - 編者:松村正人
- - 仕様:A5判/並製/240頁
- - 発売日:2025年4月30日
- - 税込定価:2,860円(本体2,600円)
- - ISBN:978-4-309-25793-8
- - デザイン:渡辺光子