「UNREAL FEST 2025 TOKYO」：日本発、最新のUnreal Engine活用事例を一挙紹介

Unreal Fest Tokyo 2025が開催！ゲーム・映像・建築での活用事例を紹介

2025年11月14日と15日、東京のTAKANAWA GATEWAY Convention Centerで開催された「Unreal Fest Tokyo 2025」では、約1,800名が参加し、史上最大規模のイベントとなりました。今回は、ゲーム開発から映像、建築、モビリティ、宇宙と、多様な分野の第一線で活躍するクリエイターたちが集結し、自身の取り組みや事例を紹介しました。

また、今年の新たな試みとして、全国7か所にサテライト会場が設置され、北海道、大阪、九州などからも多くの参加者がリアルタイムでイベントを観覧しました。これにより、地域社会のUnreal Engineコミュニティも活性化しています。

基調講演：Unreal Engineの未来を語る

初日の基調講演では、Epic GamesのCEOであるティム・スウィーニー氏が来日し、日本代表の河崎高之氏と共に、Unreal Engineの進化とエコシステムの未来について語りました。

スウィーニー氏は、Unreal Engineが開発者の制作、配信、収益化をトータルで支える「オープンなエコシステム」として進化していることを強調しました。特に、MetaHumanやRealityScan、Twinmotionなど、クリエイターに向けた多彩な機能提供があらゆる業界における制作活動を支えていることが述べられました。

さらに、Epic Games Storeでは、収益分配モデルが88％に改善されることや、2026年1月には日本向けにiOS端末向けのストア展開予定についても触れました。

また、Fortniteの成長についても言及され、Unreal Editor for Fortnite（UEFN）を通じてクリエイターへの還元が進む様子が報告されました。これはクリエイターが独自の「経済圏」を築く機会を提供する重要な進展です。

後半では、次世代言語「Verse」や新シーン構造「Scene Graph」など、Unreal Engine 6に向けた新技術についても紹介され、Fortniteでの実績も交えて解説されました。これらは今後Unreal Engine全体に統合される予定です。

日本市場でのユースケースの拡大

続いて、河崎氏は日本市場におけるUnreal Engineの採用状況について説明し、特に自動車業界での活用事例に焦点を当てました。主要OEMがUnreal Engineを活用したHMI開発やビジュアライゼーションを行っており、Sony Honda Mobilityの「AFEELA 1」では、リアルタイム3D表現を用いたHMIが搭載されています。

映像分野では、カバー株式会社によるVTuberの3Dバーチャルライブや、「Fortnite Chapter 6」のトレーラー制作といった実績が紹介され、リアルタイムでの演出が生かされる様子がわかりました。

ゲーム領域でも、多くの大型タイトルがUnreal Engineを採用しており、『Silent Hill f』や『Sonic Racing: CrossWorlds』、『鬼滅の刃ヒノカミ血風譚2』、さらにはコジマプロダクションによる新作『OD』などがその例です。これにより、国内の制作現場でのUnreal Engineの利用がますます進展していることが示されました。