フィンテック企業のアルパカが、証券会社であるWealthKernelの買収を完了させ、これにより欧州市場への本格的な進出を図っています。今回の買収は、英国およびEUにおける証券・カストディサービスの提供を可能にし、アルパカにとっては重要なステップとなります。アルパカは、米国や日本を含む多国でライセンスを持っており、4000万人以上の投資家に対して、株式や債券、暗号資産などへのアクセスを簡便に提供しています。
これまでアルパカは、米国のセルフクリアリングを用いた証券基盤で業界においてリーダーとなっていましたが、今回新たに提供を開始するのは欧州株式の取引サービスです。これによって、パートナー企業や個人投資家は、単一のインフラを使って様々な資産にアクセスできるようになります。アルパカのCEOである横川毅は、「WealthKernelの買収は欧州展開における重要なマイルストーンであり、地域を超えた投資サービスの構築をサポートするものです」と述べています。アルパカでは、今後「Alpaca Europe」として、WealthKernelの証券・カストディライセンスを活用し、英国における非課税投資口座(ISA)や個人年金口座(SIPPs)などのサービスに対応するインフラを整備することに意欲を示しています。
さらに、株取引インフラの提供を始め、ドイツ証券取引所のクセトラ(Xetra)上場銘柄を取り扱うことが決まり、ユーロネクストやロンドン証券取引所(LSE)への対応も視野に入れています。この取り組みにより、パートナー企業は、複数の市場に跨る投資サービスを提供できる環境が整ってきます。
WealthKernelの元CEOであるKaran Shanmugarajahは、今後Alpaca EuropeのCEOを務めることが決まっており、チームもアルパカに加わることで、欧州地域における事業の規制対応力やオペレーションの強化が期待されています。彼は、「アルパカの取り組みは、欧州全体の投資エコシステムにおいても進化を促すものです」と語っています。
Alpacaの欧州展開は、BNPパリバのベンチャー部門であるOpera Tech Venturesなどからもサポートを受けており、2026年1月にはシリーズD資金調達も予定されています。Opera Tech Venturesのマネージングディレクター、Vincent Baillinは、「アルパカが欧州市場で提供する先進的な投資インフラの構築を支援できることを嬉しく思います」とコメントしています。
結果として、アルパカは米国と欧州で規制に準拠した証券基盤を確立し、グローバルな投資プラットフォームの構築に向けてさらに基盤を強化していく見込みです。その背景には、3.2億ドル(約490億円)の資金調達に成功した実績があり、さらなる成長が期待されています。今後もアルパカは証券取引の面での革新を続け、多くの投資家に利便性を提供することでしょう。