新たな一歩を踏み出した医療データ分野
医療AI推進機構株式会社が、この度新たに販売を開始したシステム「MAPI Gateway」は、医用画像の取り扱いにおける効率化を目指しています。このシステムは、医療機関内のPACS(Picture Archiving and Communication System)と直接連携し、医用画像の抽出から匿名加工、さらには出力までを一貫して自動化するものです。
医用画像の匿名加工の現状
近年、AIによる研究開発や臨床現場でのデータ利用の重要性が増す中、医療データの整合性を維持しつつ個人情報を保護することが求められています。しかし、これらに関する課題も依然として解決されていないのが現状です。特に、学習用データの準備には多くの時間がかかり、その負担は医療現場に重くのしかかっています。
従来、DICOMタグの削除だけでは負担の大きさや匿名性の確保が不十分とされ、画像そのものへの配慮が求められる時代になりました。手動作業やスクリプトを利用しての処理では、どうしてもバラツキや属人化が生じてしまい、運用の質を一定に維持することが難しい状況です。
「MAPI Gateway」の開発背景
MAPIは、医療データの匿名加工を行う際の運用負担を軽減するために、医療機関内のPACSと直接連携するシステムを開発しました。この「MAPI Gateway」は、機関にとって必要不可欠な医療データの安全な利用を促進し、同時に効率的な運用を実現するためのものです。
MAPI Gatewayのシステム概要
「MAPI Gateway」は、オンプレミス(院内設置型)のソフトウェアとして、「Mac mini」にて可動します。すべての処理が院内ネットワークで完結し、外部にデータを持ち出すことなく安全に処理が行える設計となっています。これにより、データセキュリティの確保が図られています。
主な機能特徴
- - PACS自動連携: 医用画像を自動的に取得し、手動エクスポートを不要にします。
- - DICOMタグ匿名化: 再現性が高く、ホワイトリストを用いたルールベースの匿名化を実施。
- - 自動検出・除去: 画像内に焼き込まれた情報をAIによるOCR技術で検出し、マスク処理を行います。
- - 顔貌情報の削除: De-facingおよびRe-facingによって、個人の特定を防ぎます。
- - 処理ログの自動保存: 全プロセスの記録を残し、今後の監査や倫理審査にも対応できます。
- - ガイドライン遵守: 厚生労働省のガイドラインに基づく加工が可能です。
期待される利用者層
MAPI Gatewayは、医療機関の医療情報部門や研究者、製薬企業など、データの匿名加工に関心のある全ての現場で利用されることを目指しています。特に、時間のかかるデータの準備に悩む医師や研究者にとって、このシステムは作業時間の短縮をもたらし、より多くの時間を研究そのものに集中できるようサポートします。
結論
医療データの利活用がより重要になる現代において、「MAPI Gateway」は、医療機関のニーズに応える強力なツールです。従来の手法では成し得なかった運用の効率化や個人情報の保護を両立させ、医療の未来に大きく寄与することが期待されています。これからの医療現場におけるデータの安全な利用に向けて、注目される存在になるでしょう。