横浜市歴史博物館の特別展「寳林寺東輝庵展」
横浜市南区に位置する横浜市歴史博物館では、2023年9月14日から「寳林寺東輝庵展 横浜の禅―近世禅林のルーツ」が開催されています。この特別展では、東輝庵に集った名僧たちの遺品や、81件の墨蹟と禅画が展示されています。
後期展示の目玉
展示室の入口に立つと、まず目を引くのが平安時代末に制作された、寳林寺の本尊である「釈迦如来坐像」です。この坐像は、非常に優雅な姿勢で座っており、その独特な坐り方は仏教彫刻としても珍しいもので、他の如来像とは異なる特徴があります。また、最近の研究によると、表面の仕上げ技法も特異で、横浜永田の地に伝わった背景も興味深いです。
次に紹介されるのは、釈宗演が描いた「案山子図」です。この作品は、明治時代に禅の精神を広める役割を果たした釈宗演によるもので、案山子を弓矢を持って描いた独特のスタイルが印象的です。釈宗演は、1889年に寳林寺で僧堂を再興し、多くの修行僧を指導しました。今回の展示では、釈迦如来像や案山子図など、合計13点の作品が新たに公開されています。
特別御朱印の受付
さらに、横浜市歴史博物館での特別展を記念し、特別御朱印(東輝庵Ver.)の受付日が追加されます。後期展示期間中の受付日は、10月19日、26日、11月3日の3日間で、各日9:00から17:00まで受け付けています。御朱印は横浜市歴史博物館の会場のみで受け取れる貴重なアイテムですので、この機会をぜひお見逃しなく!
御朱印代は500円で、訪れる価値があります。
講演会の開催
また、関連イベントとして「近世禅林の祖師像 ― 描かれた祖師のすがた ―」という講演会も予定されています。この講演では、妙心寺派宗務本所の特別研究員・志水一行氏が講師を務め、禅宗僧侶の肖像画「頂相」について深い知識を得られる機会です。講演は10月26日(土)の14:30から16:00に行われ、事前申し込みが必要です。
展覧会情報
「寳林寺東輝庵展」は、9月14日から11月10日まで開催され、開館時間は09:00から17:00となっています。観覧料は一般1,000円、学生700円で、横浜市在住の高齢者には割引があります。前売り券も販売中で、各種プレイガイドで購入可能です。
この特別展は、横浜地域の文化と歴史を感じる絶好のチャンスです。皆さんもぜひ訪れて、深い禅の世界を体験してみてはいかがでしょうか。