日本企業におけるAI活用の現状と課題
AIテクノロジーの急速な発展がもたらす変革により、企業のデータ活用が新たなステージを迎えています。しかし、ドーモ株式会社が行った「日本企業のAIとデータ活用の実態調査」によると、企業におけるAIの導入と活用には大きな課題が残されていることが分かりました。特に、経営層と一般社員の間に見られる認識の乖離が、AI活用を阻む要因の一つとして浮かび上がっています。
調査の背景と目的
ドーモ株式会社(東京都千代田区)は、全国の従業員数300人以上の企業を対象に900人の調査を実施しました。この調査は、AIの導入状況やその目的、さらには活用における障壁を明らかにするもので、特に経営層と現場社員の意識の差を探ることが重要なテーマです。
AI活用レベルの認識における乖離
調査の結果、AIを効果的に活用できていると感じている経営層は75%に対し、一般社員では48%にとどまっています。この約27%の差は、多くの企業がAIを導入しているものの、実際の活用においては課題が多いことを示しています。特に、自身のAI活用レベルについても意思決定層と一般社員の間には大きな差が見られ、一般社員においては半数以上が「十分に活用できていない」と感じています。
AI活用の目的とその認識の差
AI活用の目的についても調査が行われました。「日常業務の自動化や効率化」を挙げた回答は全体の70%以上で一致していますが、売上向上や顧客体験の最適化に対する期待は経営層が51%であるのに対し、一般社員は30%程度と差が顕著です。これは、経営層がAIに対しより高い期待を寄せている一方、現場の従業員がその実感を持てていないことを示します。
課題と障壁
AI活用における課題には、企業全体でゴールやロードマップが共有されている企業はわずか15%にすぎず、AI導入の明確なビジョンが欠如している所が多いことが分かりました。さらには、データの取り扱いに関する問題や、AIを活用するためのリテラシー不足も大きな障壁となっています。特に、従業員のAI活用に対する理解度が低いことが、企業全体のデータ活用の浸透を妨げている状況です。
経営層と現場の乖離を埋めるために
今回の調査結果を受けて、ドーモ株式会社の川崎友和プレジデントは「AIの活用は技術を越え、全社的な文化として根付かせることが重要です」と述べています。彼は明確な戦略とビジョンをもとに、全体でAIを活用する体制づくりが求められると強調しました。また、AI活用に際しては「データアンバサダー」と呼ばれる新たな役職を提唱し、経営者と現場の橋渡し役を務める重要性にも言及しました。
企業がAI活用を効果的に進めるには、経営層からの理解とともに、現場で働く従業員の意識向上やデジタルリテラシーの教育が欠かせません。AI活用の成果を得るためには、データは単なる数字ではなく、ビジネスの勝利に直結する資源であることを理解することが大切です。
今後の展望
ドーモ株式会社では、AI及びデータ活用の普及を進めるため、さらなる企業文化の醸成を促す取り組みを行っていく方針です。また、データ活用のレベルを引き上げるための支援を通じて建設的なソリューションを提供し、企業のDX推進を後押しする役割を果たすことでしょう。今後の動向が注目されます。