書き障害を抱えた少年が綴る「書く」喜びの物語
「書き障害」という言葉を耳にしたことがある人は少ないかもしれません。しかし、その実情を知ることは、私たちが理解を深めるために非常に重要です。朝野幸一さんが自らの体験を元に書いた『14歳、字を書けない私が「書く」喜びを手にするまで』(新潮社)は、重版されるほどに反響を呼んでいます。この本は、彼がどのようにして書く喜びを見つけたのかの物語です。
彼の転機は小学五年生
朝野さんは、文字を書くことが苦痛である「書き障害」に悩んでいました。小学五年生の時、自分が他の子供たちと違うと感じ始め、文字を書くことが自分にとってどれほど困難であるかを実感しました。しかし、諦めかけていた時、運命的な出会いが彼に希望をもたらします。その出会いは、同じ障害を持つ人々との交流や「合理的配慮」によって、タイピングが彼の新たな表現の手段となったのです。
心の声を素直に表現
本書では、朝野さんが自らの障害と向き合い、どのように心の内を打ち明けていったのかが描かれています。彼は、読書を愛し、執筆を通じて自分自身を表現することを選びます。その過程で、彼の素直な言葉が多くの人に共感を呼び起こしています。文部科学省の調査によると、若い世代の中には発達障害や学習障害を抱える子供が多く、約8.8%にも及ぶという現実があります。つまり、教室には必ず一人、そんな子供がいるかもしれないのです。
周囲の理解と共感が重要
「書く」という行為が持つ意味を考え、もっと多くの人々が理解することで、彼らの声を聴くことができるようになるでしょう。本書には、著名な研究者や教育者たちからの推薦の言葉も寄せられており、その中には、学校現場での無理解に対する警鐘が鳴らされています。著名な作家たちからの書評もあり、例えば乙武洋匡氏は、見えない障害についての現実を語っています。
明るい未来に向かって
朝野さんの冒険は、決して軽やかなものではありませんでしたが、その中から見出した「書く」喜びは、彼にとって大きな救いとなりました。彼の実体験は、同様の障害に苦しむ他の子供たちへの希望の光となることでしょう。これからも、朝野さんの物語から多くのことを学び、私たちができることを考えていく必要があります。
書籍データ
『14歳、字を書けない私が「書く」喜びを手にするまで』は、朝野幸一著、2月18日発売、208ページの内容です。定価は税込1,870円で、ISBN番号は978-4-10-356731-8になります。詳細は新潮社の
公式サイトをご覧ください。