東京都江東区に新拠点『ながれる』が誕生
社会福祉法人子供の家 ゆずりはが、新たに東京都江東区にシェルター機能を備えた新拠点『ながれる』を2024年12月に開設します。この拠点は、緊急避難が必要な人々に「帰る場所がない」という切実なSOSに応えるためのものです。『ながれる』は、従来のシェルターとは異なり、地域コミュニティとの連携を重視した“半開き”のシェルターとして設計されています。
『ながれる』の特色
『ながれる』では、最大2名まで宿泊できる個室を備えるだけでなく、専門のスタッフとの相談ができるスペースや、地域の方々とつながりを持てるコミュニティエリアが設けられます。
この新しい施設の目的は、支援が必要な方々のために、安全で快適な居場所を提供することであり、単に避難するためだけの場所ではなく、その後の生活においても支えとなるような環境作りにつながります。これにより、相談者はただ生きることを許されるだけでなく、自分の人生を再構築するための力を得ることが期待されます。
SNSを活用した地域との連携
さらに、『ながれる』は相談者が地域の人々と接点を持ちつつ、安心感を育むための場を提供します。これは、オープンなコミュニティ空間の設計によって可能となり、利用者は自分に合った形で社会と関わることができるのです。このように地域とつながることで、利用者同士や地域の人々が互いに助け合う関係を築くことを目指しています。
相談支援の重要性
ゆずりはの活動は、ただ一方的に支援を提供するのではなく、相談者と共に「安心」を育むことに重きを置いています。支援と被支援の関係を超え、互いに信頼関係を築くことが、より効果的な支援につながると言えるでしょう。
特に、社会的養護の背景を持つ相談者は自己肯定感が低い場合が多いですが、『ながれる』ではそのようなハードルを軽減し、居心地の良い空間を作り上げていきます。
法人の歴史と現在の課題
ゆずりはは、2011年から始まった活動で、虐待や貧困に苦しむ若者たちを支えてきました。彼らは、施設を巣立った後も社会とのつながりが希薄で、孤立が深まることが少なくありません。相談件数は年間6万件を超え、福祉に求められる支援の重要性が高まる中、地域のニーズに応えるべく新たな拠点の必要性が強く感じられています。
今後の展望
『ながれる』は、単なる避難所ではなく、利用者に寄り添うことで「次の一歩」を後押しする場所となるでしょう。開設準備は進められていますが、依然として約3,000万円の資金が不足している状況であり、地域の方々や企業からのご支援が求められています。寄付を通じて、多くの人々の『安心』を生み出すこの取り組みに参加していただきたいと思います。
『ながれる』は、福祉の新しいモデルケースとなることを目指し、地域と共に歩む場所として多くの人に受け入れられることを願っています。心に寄り添う空間が、利用者にとってかけがえのない体験となることを確信しています。