大阪・関西万博2025：来場者の満足度と課題が浮き彫りに

大阪・関西万博2025: 来場者から浮かび上がった満足度と課題

2025年の大阪・関西万博が閉幕した直後、ノウンズ株式会社が実施した意識調査が注目を集めています。この調査によると、万博に訪れた来場者の約8割が満足している一方で、全体の参加率は3割未満という結果となりました。

調査の目的と背景

調査は万博の閉幕翌日である2025年10月14日に実施され、全国の一般生活者2,005名を対象に行われました。調査の主な目的は、万博を実際に訪れた人々とそうでない人々の意見を収集し、各層の満足度や行動要因を把握することです。このデータは、今後の大型イベントや地域振興策に役立つ貴重な情報を提供するものです。

来場者意識と行動のギャップ

調査の結果、万博に関心を持ちながらも参加しなかった人が約3割に達していることがわかりました。実際には行こうと思っていても、費用や距離、タイミングなどの理由から行動に移せなかった人々が存在することが示唆されます。このデータからは、興味があったからといって必ずしも行動に繋がるわけではなく、参加者の意欲を損なう要因が複合的に関与していることが窺えます。

来場者満足度の詳細

興味深いのは、来場者の約45%が複数回訪れていたことです。このことから万博は「一度限りの体験」ではなく、再訪を促す要素が働いていたことが明らかになりました。特に、10回以上訪れた層の9割以上が年パスを購入していたことは、価格設定により行動を促す効果があったと言えるでしょう。一方で、初回来場者の約6割が年パスを購入しなかったため、「元が取れるか分からない」という不安があったことも指摘されています。

高評価の運営と混雑の声

調査結果では、来場者の8割以上が「とても満足」または「まあ満足」と回答しています。不満を示した人は5%未満ということから、運営の安定感が評価されていることがわかります。しかし一方で、混雑や価格、入場制限に関する不満も顕在化しています。このように、コンテンツには高い評価が寄せられる一方で、来場時の体験には改善の余地があることが浮かび上がりました。

今後への示唆

調査から得られたデータは、万博の評価を一言で語ることは難しく、様々な意見が共存していることを示しています。特に国際的なイベントにおいて、満足度の高い運営の一方で、体験面に関する課題も残るという現実は、今後のイベント運営にとって重要な教訓となるでしょう。このような鮮明な消費者の声を反映することが、次回の大型プロジェクトに向けた大きなヒントになると考えられます。