船場とチヨダウーテの提携背景
株式会社船場(港区)とチヨダウーテ株式会社(三重県)は、2025年7月1日に業務提携を開始することを発表しました。この提携は、商業スペースやオフィスの設計や施工を担当している船場が、チヨダウーテの「チヨダサーキュラーせっこうボード」を使うことで実現します。この商品は、リサイクル石膏を100%使用しているため、環境への配慮がなされています。さらに、施工現場から出る使用済みの石膏ボードをチヨダウーテに提供することで、原料供給の循環を強化し、業界全体のエコノミー化へ貢献することを目指しています。
社会的背景
石膏ボードは広く内装材として使用されているものの、解体時に大量の廃棄物が出てしまいます。2032年には廃棄量が約200万トン、2047年には300万トンを超えると予想されています。その一方で、日本では火力発電所などから供給される石膏原料が減少しており、国内の需要を満たすために毎年200万トン以上が外国から輸入されています。このような背景から、廃石膏ボードの再利用が急務となっています。船場とチヨダウーテは、これまでの実績でもうすでに廃石膏ボードの回収と再資源化に取り組んでおり、今後の業務提携を通じてサーキュラーエコノミーの実現を目指します。
提携による具体的な取り組み
1. 社会実装の推進
船場は、多様な施工現場で「チヨダサーキュラーせっこうボード」を導入し、その循環サイクルを実現します。これにより、築きあげたプロジェクト、例えば、東京都心の大型商業施設「ALLU SHINJUKU」や、オフィス施工案件などでの導入が期待されています。
2. 再生石膏ボードの供給拡大
施工現場から発生する使用済み石膏ボードをしっかりと分別し、チヨダウーテに回収してもらうことで、新たな原材料として活用します。これにより、より多くの石膏ボードが再生され、安定した供給が可能になります。
3. 情報発信と業界への波及
この業務提携の成果を広く発信し、石膏ボードを取り巻く社会問題への関心を高めます。両社の取り組みを通じて、業界全体のサーキュラーエコノミー化をリードしていく姿勢です。
今後の展望
両社は、建築や空間業界において持続可能な社会の実現を目指し、技術や流通の革新にも注力していく考えです。エシカルデザインを掲げ、人や地域、環境に優しい空間づくりを推進します。また、これまでの取り組みとして廃石膏ボードの水平リサイクル実証実験が行われ、中間処理施設を通じて品質の高い再生石膏ボードの供給が可能であることも報告されています。
船場は、幅広い業種に対して総合的なデザインと施工を提供し、ビジョンとして「Good Ethical Company」を提唱しています。これからも業界内の循環型社会の形成に向け、多くの企業と連携し、サステナブルな未来を切り拓いていくでしょう。
詳細な情報は、公式ウェブサイトや関連する動画などで発信される予定です。