シンポジウム「Shall we curate?」が掲げるキュレーションの新たな可能性とは

シンポジウム「Shall we curate?」の開催について

2023年9月、京都大学でシンポジウム「キュレーションの社会的役割 - Shall we curate? -」が開催されます。このイベントは、キュレーションの新たな可能性を探求することを目的としています。キュレーションは単なる情報を集める行為ではなく、社会とどのようにつながり、どのように社会を動かすかという問いに焦点を当てます。

キュレーションとは何か？

キュレーションは、今や分野を超えて新しい価値を生む活動として注目されています。このシンポジウムでは、哲学、アート、建築、科学、情報、経営、デザインなどの専門家たちが集まり、キュレーションが生み出す関係性や社会的意義について議論します。その基礎理論には、「アクターネットワーク理論（ANT）」があり、キュレーションの行為を通じて異なる領域の知識と実践が交わり、新しい関係性が生まれる様子を探ります。

様々な専門家が集結

シンポジウムでは、哲学者エマヌエーレ・コッチャ氏を基調講演者に迎え、植物の知覚や環境と感覚の関係について話が展開されます。また、脳神経科学者の神谷之康氏やアーティストの土佐尚子氏など、多様な分野から参加者が登壇し、パネルディスカッションを実施します。

音楽とアートのパフォーマンス

このシンポジウムの最後には音楽家原摩利彦氏によるピアノ演奏が行われ、さらにパレスチナ・ガザの環境音を使用した音楽パフォーマンス「THEY ARE HERE」も予定されています。また、ビジュアルアーティストYOSHIROTTENによるインスタレーション映像も展示され、参加者の思考と感性を刺激する空間が創出されます。

複合的な知覚体験

シンポジウムに参加することで、ただ知識を得るのではなく、参加者自身が思考を巡らせ、キュレーターとしての役割を果たすことになります。ここで生まれる新たな視点は、キュレーションの未来だけでなく、つながりの美学やエコロジーの感性、関係の倫理に関する深い思索を促すでしょう。

開催概要

このシンポジウムは、9月19日（金）18:15から京都大学百周年記念大ホールにて開催され、定員は500名、入場は無料です。参加は事前申し込み制となっており、詳細は「京都Peatix」にて確認できます。

結論

「Shall we curate?」は、現代におけるキュレーションの役割を再定義し、参加者に新たな価値と視点を提供します。このシンポジウムが、アートと社会を結ぶ架け橋となり、未来のキュレーションの可能性を拓くことを期待しています。参加者にとって、自らの哲学的態度を反映させる貴重な機会となることでしょう。