触覚技術で視覚障害者とアートを共有する新しい体験イベント
株式会社電通デジタルが、視覚障害者とともにアートを全身で体感できる新たなイベント「ENTOUCHABLE MUSEUM -超さわれる美術館-」を企画。2024年12月20日から22日まで、東京ミッドタウン日比谷の「BASE Q HALL 1」にて開催します。このイベントでは、ハプティクス技術を駆使して、視覚だけでなく触覚や聴覚を通じてアート作品を体感できる機会が提供されます。
ハプティクス技術とは
「ハプティクス」は、触覚を他者に伝える技術で、力や振動を用いて実際に物に触れているかのような感覚を与えるものです。特に本イベントでは、東京大学の博士課程で開発された超音波ハプティクス技術を採用し、非接触で触覚を体感できる展示が期待されています。この技術により、参加者は「モナリザ」と握手をしたり、「関ケ原合戦図屏風」の風景を体験したりすることができます。
新たなアート鑑賞スタイル
「ENTOUCHABLE MUSEUM」では、従来の鑑賞スタイルを覆す新しい提案が行われます。視覚に障害がある方々を対象に、全身でアートを感じ、他者と感性を共有する場を提供することで、アートの楽しみ方が多様化します。令和4年度の厚生労働省の調査によれば、日本国内には約27.3万人の視覚障害者がいるとされていますが、このイベントはその方々に向けた特別なアプローチとなります。
体験できる展示作品
展示される作品には、さまざまな工夫が凝らされています。
- - 「モナリザ」:ハプティクス技術を活用し、鑑賞者が絵画に直接触れることができる。
- - 「風神雷神図屏風」:音声触覚変換デバイスを使用し、風や雷を感じることが可能。
- - 「関ケ原合戦図屏風」:戦の音や登場人物の声をリアル体験。
- - 「下野黒髪山きりふりの滝」:水が流れる様子や草木の揺れを感じる。
- - 「グランド・ジャット島の日曜日の午後」:絵画上の出来事を体験。
これらの作品は、視覚だけでなく聴覚や触覚を通じてアートを味わえる機会を提供し、参加者にとって新しい発見や感動をもたらします。
ソーシャルプロジェクトとしての意義
電通デジタルは、テクノロジーとクリエイティブ力を用いて社会的課題の解決を目指す「ソーシャルプロジェクト」に取り組んでいます。「ENTOUCHABLE MUSEUM」もその一環であり、視覚障害者がアートを楽しむ新たな手段を創造することで、社会全体への意識を促進することを目指しています。
予約方法と参加条件
イベントは特設サイトからの事前予約制です。参加は2人1組が基本で、視覚に障害がない方も参加可能ですので、ぜひこの機会に新たなアート体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。
開催概要
- - 名称:ENTOUCHABLE MUSEUM -超さわれる美術館-
- - 場所:東京ミッドタウン日比谷6階「BASE Q HALL 1」
- - 日時:2024年12月20日(金)午後3時~午後7時、21日(土)午前12時~午後7時、22日(日)午前12時~午後5時
イベント参加を通じて、視覚障害者と一般市民が共にアートを楽しむ機会を提供するこの試みは、世代を超えた感性の交流として、参加者にとっても貴重な経験となるでしょう。