株式会社加藤製作所は、新たに300t吊りのオールテレーンクレーン「KA-3000R」を販売開始しました。この新型機は、以前のモデルから受け継がれた性能を基に、キャリヤをモデルチェンジし、安全性・作業性ともに向上させています。また、最新の排出ガス規制である欧州Stage Vに適合した新エンジンを搭載し、環境への配慮を強化しています。
開発の背景
「KA-3000R」の開発は、安全性と環境性能を両立させることを目的として行われました。安全性に関しては、衝突警報装置を新たに搭載し、左折時において周囲の自転車や歩行者を検知することで、運転手に警告を送ります。この機能により、自動車と歩行者との接触を防止し、現場での安心感が大いに向上しました。また、当製品は国土交通省から「超低騒音型建設機械」としての指定を受けており、音の問題にも対応しています。
環境への配慮
「KA-3000R」にはDaimler製の新エンジンが採用され、最高出力は390kW、最大トルクは2,600N・mに達します。このエンジンは、特に環境に配慮した設計で、尿素SCR排出ガス後処理装置とDPFを搭載しています。これにより、粒子状物質(PM)を大幅に除去でき、クリーンな運行が可能となりました。新型クレーンはオペレーターの快適性も考慮しており、広々としたキャブとエアサスシートを採用しています。
クレーン性能
「KA-3000R」は5段高剛性フルパワーブームを搭載し、最大吊上げ能力は300t、最大ブーム長さは55m、最大作業半径は52mです。これにより、特に重機を運ぶ際の効率が格段に向上します。また、4段SLジブでは最大吊上げ能力が24t、ヘビーリフトジブ(HLジブ)では最大126tを吊り下げることができ、非常に多様な作業に対応可能です。
キャリヤ性能
キャリヤは独自に開発された6軸クレーン専用で、電子制御のリヤステアリングシステムが搭載されています。これにより、走行安定性が確保され、狭い現場でも容易に移動が可能です。また、ディスプレイでステアリング状態を可視化することで、オペレーターは車両の動きを直感的に把握することができます。
さらに、全輪にフルエアーディスクブレーキを採用しており、従来のドラムブレーキよりも冷却性に優れ、メンテナンスも簡便です。ブレーキパッドの摩耗状況を警告する機能も搭載し、安心して運転できる環境を実現しています。
商品概要
新型クレーン「KA-3000R」は、2025年6月に発売予定で、標準小売価格は410,000,000円(税別)からスタートします。販売目標は年間10台で、業界のニーズに応えられる製品の提供を目指しています。
会社概要
株式会社加藤製作所は東京都品川区に本社を置き、建設クレーンや油圧ショベル等の製造・販売を行っています。創立は1895年と歴史が古く、多くの信頼を寄せられています。今後も業界No.1の安全性を追求し、環境に配慮した製品ラインアップを増やしていく方針です。