サステナビリティを学ぶためのオンライン勉強会
2023年6月30日に、株式会社ハースト婦人画報社が主催するサステナビリティ勉強会がオンラインで開催されました。このイベントのテーマは「なぜ、サステナブルは広がらないのか?」であり、特にオーガニックコットンに焦点を当てた内容となっています。参加者は303名に上り、業界内外の関係者が集まる貴重な場となりました。
勉強会の背景と目的
この勉強会のきっかけは、ハースト婦人画報社が展開するECサイト「ELLE SHOP」において、アースデイに行った「コットン・イン・コンバージョン(CIC)」プロジェクトです。サステナブルなファッションの拡がりを目指すこのプロジェクトでは、オーガニックコットンのサプライチェーンに対する多くの気づきを得ることができました。社長室 コーポレート コミュニケーションマネージャーの高野由絵氏は、ファッション業界全体で重要なテーマであるサステナブルについて、関係者と共に学びを深める目的でこの勉強会を実施したと語っています。
オーガニックコットンの動向と課題
勉強会のセッションでは、スタイレム瀧定大阪株式会社 ORGANIC FIELD室長の髙森俊滋氏が登壇し、通常のコットンが抱える環境問題について詳ししく説明しました。コットン栽培は化学肥料や農薬を大量に使用するため、環境に深刻な負担をかけていることが指摘されました。さらに、オーガニックコットンについても、認証を取得するための3年の壁が普及を阻んでいる原因とされています。髙森氏は、「オーガニックコットンとしての認証を得るためには、化学肥料や農薬を使わない状態を3年以上続ける必要があり、その期間は農家が適正価格で売ることができないリスクがある」と述べ、農家が挑戦しづらい現状を強調しました。
「コットン・イン・コンバージョン」の取り組み
この環境における課題を解決するためのソリューションとして提案されたのが、「コットン・イン・コンバージョン(CIC)」です。これは、オーガニック栽培への移行期間に収穫されるコットンを全量買い取り、農家の経済負担を軽減しようという試みです。髙森氏は、CICが高い品質を持つことも強調し、「健全な環境で育てられたコットンは、レギュラーコットンと同等の品質であり、その背景を知ることで消費者の意識が変わる」と述べました。
コンシューマーの意識と関心の高まり
続いてのトークセッションでは、消費者のサステナブルな商品に対する価格許容度や意識についての調査結果が紹介されました。ハースト婦人画報社の大竹紘子氏は、サステナブル商品が普通商品の1.3〜1.4倍の価格を許容される一方で、「長く着られること」や「高品質」であることが消費者が重視するポイントであると説明しました。
特に、商品のストーリーや背景に共感することが重要であり、「サステナブルという言葉だけではなく、その商品が生まれた紆余曲折を誠実に伝えることが消費者の理解と共感につながる」との結論に至りました。高野氏や椿原里咲氏は、消費者との共感を生むために、情報発信の仕方に工夫が必要であると訴えていました。
グリーンウォッシュ問題と正確な情報発信
また、ELLE SHOPでの「コットン・イン・コンバージョン」特集記事を通じて、サステナビリティに関する情報発信の手法も話題に上がりました。椿原氏は、「商品の裏側にある実際の取り組みや背景を丁寧に伝え、安易なグリーンウォッシュ的表現を避けることで、消費者の理解を得る重要性を強調した」と語りました。
結論に向けて
結論として、勉強会は単なる情報伝達にとどまらず、生産者から消費者までがそれぞれの役割を果たしながら、共にサステナブルな選択肢を広げていくことが大切であると再確認されました。今後も高まるサステナブルファッションの流れの中で、業界全体での意識と行動の変革が求められています。