2023年度ストレスチェック結果発表!職場環境の改善傾向が見えた
株式会社ドクタートラストが実施した2023年度のストレスチェックから、働く人々のストレス度合いの変化が明らかになりました。今回の分析は、47万人を超える受検者のデータを基に行われ、特にキャリア教育や上司のリーダーシップの面で顕著な改善が見られました。
ストレスチェック制度の概要と重要性
ストレスチェック制度は、2015年12月以降に施行され、従業員が50名以上の企業に対して年間1回の実施が義務付けられています。最初の結果は57の設問からなり、現在は80の設問によるワーク・エンゲイジメントも含んだものが一般的になっています。ドクタートラストは、高水準の検査数を誇り、多くの企業に信頼されているストレスチェックサービスを提供しています。
受検率と高ストレス者率の安定
2023年度の受検率は87.5%で、前年度よりわずかに減少しましたが、2020年度以降は高い水準を維持しています。一方、高ストレス者率も13.7%と、前年から変わらず。この数値は厚生労働省の基準が求める10%未満には達していないものの、安定した数字といえます。
ストレスの要因とその影響
2023年度の調査では、不良な結果となった項目として「ワーク・セルフ・バランス」「仕事の質的負担」「仕事の量的負担」が挙げられました。これは新型コロナウイルスによる影響が今なお続いているためです。また、特に「ワーク・セルフ・バランス」に関しては、プライベートの充実を阻む要因となっている可能性が指摘されています。
良好な結果としての職場環境の向上
一方で、改善された点としては「職場のハラスメント」「抑うつ感」「役割明確さ」などがあり、企業の取り組みが成果として現れています。特に「キャリア形成」「上司のリーダーシップ」が大きく改善されたことは、職場環境向上への意識を各企業が高めていることを示しています。
経年比較による良好な尺度の変化
特に、2022年度と比べて大きな変化を示した5つの尺度が以下のように良好に変化しました:
1.
キャリア形成 (+1.5%)
2.
上司のリーダーシップ (+1.4%)
3.
多様な労働者への対応 (+1.2%)
4.
ほめてもらえる職場 (+1.0%)
5.
公正な人事評価 (+0.9%)
これらの結果から、上司の存在が従業員のモチベーション向上に寄与していることが伺えます。
さいごに
総じて、2023年度のストレスチェック結果はポジティブな傾向を示しており、企業の環境改善に向けた取り組みが実を結んでいることが分かりました。これからも、ストレスチェックの重要性を認識しながら、企業は従業員の健康維持とパフォーマンス向上に取り組むことが重要です。今後の職場環境改善に繋がる施策が期待されます。
文責:服部恭子(ストレスチェック研究所主席アナリスト)
参考情報
- - ドクタートラスト:企業ではたらく人の健康管理を専門とする会社で、様々な健康管理サービスを提供しています。