植物由来成分で細胞性食品のコスト削減を実現
味の素株式会社は、細胞性食品の培養プロセスにおいて新たな技術を開発しました。この技術は、高価な血清成分を代替するために、植物由来の成分「ヒノキチオール」を活用するものです。これにより、細胞性食品の生産にかかる培地コストの大幅な削減が期待されています。
細胞性食品の需要と課題
細胞性食品は、地球環境への負荷を軽減し、食料問題を解決に導く次世代のタンパク源として注目されています。2032年には数兆円規模に達すると予測される市場ですが、その製造に必要な培地コストが普及の障害となっています。特に、トランスフェリンと呼ばれる成分は、血清成分の一つであり、その製造が難しく、コスト上昇の原因となっているのです。
ヒノキチオールの特性
ヒノキチオールは、天然の植物成分で、鉄と結合し細胞内に鉄を供給する特性を持っています。この特性を活用することで、従来、トランスフェリンが担っていた機能を代替できます。味の素は、この新技術により無血清培地でも高い細胞増殖率を維持できることを明らかにしました。
課題解決への道
味の素が開発した技術は特許申請中で、高価なトランスフェリンの代わりにヒノキチオールを用いることがコスト削減に貢献します。加えて、ヒノキチオールは低分子であり、化学的に安定しているため、無血清培地の品質向上にも寄与します。日本の食品添加物リストにも登録されており、安全性も確認されています。
商業化に向けた展望
現在、味の素は試作品を用いた検証を進めており、数年以内に市場投入を目指しています。細胞性食品の可能性を広げる本技術の商業化は、持続可能な食システムの構築に寄与することでしょう。味の素は「人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という理念のもと、環境負荷の低い食材の開発に注力しており、グリーンフード事業の成長を目指しています。
多様なビジネスチャンス
細胞性食品市場は多様なビジネスチャンスを提供します。セクターには細胞の販売から、培地や成長因子の供給、培養技術の開発まで広がっています。味の素は、これら全てに自社のアミノサイエンス®の技術を応用し、特に再生医療用の培地ビジネスでの技術と知見を活かして事業参入を図ります。
まとめ
味の素株式会社は、持続可能なアグリフードシステムの実現に向けて、細胞性食品の製造支援を続けています。この新技術が市場に投入されることで、持続可能な食品供給の未来を切り開くことが期待されます。