2024年第1四半期、BlackBerryレポートが示す日本のサイバー脅威の深刻性
BlackBerry Japan株式会社は、2024年第1四半期(1月~3月)のグローバル脅威インテリジェンスレポートを発表しました。このレポートでは、日本がサイバー攻撃に対する脅威の最前線であることが次第に明らかにされています。具体的には、日本はサイバー攻撃を阻止した件数で、アメリカに次いで世界第2位、また新たに検出されたマルウェアの数では世界第3位という結果が示されています。
増加するサイバー攻撃
2024年第1四半期の間、BlackBerryは悪意のあるハッシュ値を63万件検出しました。この数字は、前四半期比で40%増加したことを意味しています。特に目を引くのは、攻撃の60%が政府、医療、金融、通信といった重要なインフラを狙っている点です。その中でも金融セクターが40%を占め、攻撃者たちがどれほど組織や企業を標的にしているかが伺えます。
BlackBerryの主任脅威解析リサーチャーである糟谷正樹氏は、日本の脅威の状況が「複雑化し、懸念すべき状態」にあると警告しています。また、脅威の背後にあるのは、地政学的な緊張であり、日本が攻撃を受けやすい状況にあることを強調しています。
サイバーセキュリティの重要性
このレポートからは、新しいマルウェア攻撃が1分当たり40%増加していることも報告されており、1日当たり7,500件ものサンプルが日本の顧客をターゲットにしています。このデータからも、営利企業に対する攻撃が急速に増加していることが分かります。特に小売業や製造業に対する脅威は36%を占め、社会全体のセキュリティが脅かされています。これらの攻撃は、ソーシャルエンジニアリングを用いた手口が多く、ますます巧妙になっています。
CVEの影響
また、共通脆弱性識別子(CVE)の利用状況も注目すべきポイントです。2024年第1四半期に報告された8,900件のCVEの56%が深刻度スコア7.0以上であり、これは前回から3%増加しています。特に、ランサムウェアやインフォスティーラーといったマルウェアが急速に武器化されている実態が顕著です。
ランサムウェアの脅威
世界的に見ても、この四半期に活動したランサムウェアグループが引き起こす混乱は計り知れません。その中でもトップの活動を見せたのはLockBit、Hunters International、8Baseの3つです。これからも政治的緊張が続く中で、これらの脅威は日本のような国にとって深刻な懸念材料になるでしょう。
セキュリティ戦略の進化
日本の組織は、従来のシグネチャベースのアンチウイルスソフトウェアに依存するのではなく、AIや機械学習を駆使した新しい候補者の戦略を取り入れる必要があります。対応策として、マネージド検出および対応(MDR)を活用し、迅速な対応が求められています。
このように、サイバーセキュリティは今後さらに重要なテーマとなります。日本がこの深刻な状況を乗り越えるためには、持続可能な戦略と最新技術の導入が不可欠です。今後、BlackBerryのグローバル脅威インテリジェンスレポートにも注目が集まることでしょう。