PICUダイアリー新展開
2025-06-26 20:33:27

小児集中治療室のメンタルサポートを進化させる新しい取り組み「PICUダイアリー」

小児集中治療室の家族支援、新たな「PICUダイアリー」の可能性



近年、医療技術の進歩に伴い、小児集中治療室(PICU)での救命率は向上しています。しかし、その一方で、治療を受けた子どもや家族は、小児集中治療後症候群(PICS-p)と呼ばれる様々な身体的・精神的な問題に直面することが増えています。これに対処するため、国立成育医療研究センターと株式会社アルムは新たにデジタル形式の日記「PICUダイアリー」の研究を開始しました。

PICUダイアリーとは?


PICUダイアリーは、入院中の子ども及びその家族、そして医療スタッフが協力して作成する日記です。入院している子どもの日々の治療過程や出来事が記録され、家族の気持ちやメッセージも添えられます。特に、PICUに入院中の子どもは、治療中の記憶の欠如や恐怖心を抱えることがあり、また、家族は面会制限などから強いストレスを受けることが多いです。これらが心理的負担を増大させる要因となり、家族のメンタルヘルスを悪化させる可能性があります。

Web対応の利点


「PICUダイアリー」がWeb化されることで、家族はスマートフォンやタブレットを通じて、自分の子どもの状況を常に把握できるようになります。また、医療従事者とのコミュニケーションも容易になり、遠方の家族や他の兄弟姉妹も、ダイアリーを通じて入院中の子どもを支援できる機会が増えることが期待されています。これにより、子ども自身も、自分の療養過程を振り返りながら、心理的な負担を軽減することができるでしょう。

研究の背景と必要性


海外の多くのPICUでは、同様の取り組みが行われており、家族間のコミュニケーション促進に役立っていると報告されています。しかし、日本では現在、従来の紙媒体の日記は作成や維持に多くの時間と労力を要するため、十分に普及していないのが実情です。そのため、国立成育医療研究センターでは、オンラインで簡単にアクセスできるPICUダイアリーの開発を進めています。

研究の概要


今回の研究では、特に国立成育医療研究センターで心臓外科手術を受けた6歳以下の子どもとその家族、20組を対象にしています。研究方法としては、株式会社アルムが開発した健康・治療生活サポートアプリ「MySOS」に搭載されたダイアリー機能を使ってもらい、その満足度を調査します。評価は「Client Satisfaction Questionnaire 8」を用いて行われ、2025年6月から2026年3月までの期間で実施される予定です。

未来への展望


「PICUダイアリー」を通じて、子どもたちやその家族が抱える精神的負担の軽減を図ることが期待されています。また、デジタル技術を活用することで、医療環境におけるコミュニケーションの効率化を実現し、より支援的な療養環境を創出する試みとして注目されています。今後の研究結果が、普及に向けての大きな一歩となることが期待されます。

まとめ


PICUでの経験を豊かにし、家族のメンタルヘルスをサポートする新たな試み「PICUダイアリー」は、デジタル化を進めることでより大きな価値を提供する可能性があります。治療を受けている子どもたちが、この新しいアプローチによって少しでも安心感を得られることを願います。

詳細については、株式会社アルムの公式サイトを訪れてみてください。


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会社情報

会社名
株式会社アルム
住所
東京都渋谷区渋谷2-24-12渋谷スクランブルスクエア
電話番号
03-4361-2650

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