台湾宜蘭大學の新しい挑戦
台湾の農業において、食料自給率の向上は急務です。特に若手就農者の育成と技術の伝承が求められています。そんな中、台湾の国立宜蘭大学は、NTTアグリテクノロジーおよびThroughTek Co., Ltd.と連携し、画期的な「遠隔営農支援システム」の実証実験を開始します。この実験は2025年4月9日から始まります。
実証実験の背景と目的
台湾の農業界では、食料自給率を向上させるために様々なアプローチが模索されています。その一つとして、若い人材の農業への参入が重要視されています。これに対して、NTTアグリテクノロジーは長年にわたり日本での経験を活かし、宜蘭大学とTUTKとの協力を通じて、効果的な教育支援システムの確立を目指しています。
この実証実験では、遠隔地の専門家からデータに基づく指導を受けられる仕組みを検証します。具体的には、若手農業者が必要とする知識や技術をどの程度効果的に学べるのかを調査します。この取り組みが成功すれば、台湾の食料自給率向上に大きな貢献が期待されています。
実施の背景
2024年9月23日、NTTアグリテクノロジーは宜蘭大学及びTUTKと基本合意書を締結しました。この協力により、スマート農業技術を駆使して日本と台湾の農業に共通する課題解決を目指します。
また、2024年12月には、台湾特産のネギを対象に、遠隔営農支援システムを用いた指導が行われ、栽培未経験者に対しての実験がスタートします。この実験では、指導を受けることで得られるリアルタイムでのサポートが、いかに農業の効率化につながるかが探求されます。
実証実験の詳細
実験は、宜蘭大学の温室で行われ、マスクメロンを栽培します。この際、遠隔営農支援システムを活用するグループと、従来の方法で指導を受けるグループに分けて、その効果を比較します。このプロジェクトを通じて、科学的なデータをもとに新しい農業技術の有効性を分析し、定量的な成果を導き出すことが目指されています。
システムの主な役割
- - 宜蘭大学:実証実験のフィールド及び栽培者、指導者の提供
- - TUTK:IT技術の支援
- - NTTアグリテクノロジー:遠隔営農支援システムの提供
今後の展望
今回の実証実験を通じて得られる知見は、台湾の農業振興のみならず、持続可能な農業の発展に寄与することが期待されます。このシステムの普及を図ることで、さらなる若手農業者の技術向上が自給率の向上につながり、地域の農業が活性化することを願っています。
このように、台湾と日本の協力による遠隔営農支援システムの実証実験には、大きな期待が寄せられています。