鈴木徹 作陶展 ―破殻―が松坂屋名古屋店でスタート
松坂屋名古屋店で、陶芸家鈴木徹氏の約5年ぶりの個展「鈴木徹 作陶展 ―破殻―」が開催されています。この展覧会は、争いと変化に満ちた現代において、伝統を引き継ぎながら新しい表現を模索する鈴木氏の強い意志が込められた作品群を紹介しています。
緑釉の新たな表現
鈴木氏の作品は、特に「緑釉」の美しさが際立っています。この緑釉は、伝統的な美濃陶芸の釉薬「織部釉」をベースにしつつ、鈴木氏独自の感性で新しい形に昇華されています。彼は、ただ伝統の枠に留まらず、自身の感情や経験を作品に反映させてきました。
「破殻」シリーズの魅力
展覧会のタイトルにもなっている「破殻」シリーズは、鈴木氏が叩き技法を用いて制作した作品で、自然に表れたヒビや亀裂が特徴です。これらの作品は、彼自身の内面的な変化や挑戦を象徴しており、視る人に強いメッセージを送ります。鈴木氏は、自身の殻を破り、何か新しいものを生み出したいという思いを作品に込めています。
新しい試みと展示作品
「赤朽葉」シリーズや「三彩」シリーズも、今回が初お披露目となる新作です。「赤朽葉」では、落ち葉から朽ち葉への移り変わりを美しい色合いで表現し、生命の息吹を感じさせる作品が揃っています。また、「三彩」シリーズでは、藍釉、褐釉、緑釉を掛け合わせ、独特な風合いを持つ作品が展開されています。
鈴木徹氏の遍歴
鈴木徹氏は1964年に岐阜県多治見市で生まれ、1988年に京都府の陶工職業訓練校を修了しました。以降、数々の展覧会に入選し、受賞を重ねてきた実力派の陶芸家です。その作品は、日本伝統工芸展や多治見無形文化財の指定など、国内外で高く評価されています。彼の作陶歴は、40年近くに及び、その経験をもとに、日々新しい表現を模索しています。
展覧会の感想
鈴木氏は、今回の展覧会を通じて、彼自身の思いを感じてもらいたいと語っています。「破殻」という言葉には、自身の限界を超えようとする強い意思が込められており、訪れる人々に深い感動を与えることでしょう。ぜひ、会場で彼の作品を体感し、その感想を直接伝えてみてはいかがでしょうか。きっと、作品を通じて彼の思いに触れることができるはずです。
まとめ
「鈴木徹 作陶展 ―破殻―」は、松坂屋名古屋店で開催中で、鈴木氏の革新的な陶芸作品を間近に味わうことができる貴重な機会です。緑釉をベースとした新しい表現や、自然の色彩を感じる新作の数々で、あなたも新たな感動を見つけてください。