映画『認知症世界の歩き方』実写化記念イベント開催！アートで偏見を脱ぐ

映画『認知症世界の歩き方』実写化記念イベント開催！

2025年5月13日、東京・千駄ヶ谷において特別イベント「脱偏見のために、デザインと映画は何が可能か vol.1」が開催されました。このイベントは、映画『認知症世界の歩き方』の実写化決定を祝うものであり、約60名の来場者とオンラインで約180名が参加しました。

ゲストスピーカーと進行役

このイベントでは、ゲストに作家の岸田奈美さんが登壇し、映画制作の背景や「偏見」をテーマにしたトークが行われました。また、進行役として筧裕介さん（issue+design代表）と但馬武さんが参加し、視聴者にありのままのリアルな対話を提供しました。

偏見に挑む映画制作

本イベントシリーズは、認知症に対する誤解や固定観念を解消することを目的としており、参加者はその意図を強く感じました。岸田さんは、自身の経験を通じて感じた偏見や課題を率直に語り、息子の弟さんとのエピソードを交えた話が印象的でした。弟さんの行動を支える地域の人々の姿は、認知症に対する理解が深化するきっかけとなるでしょう。

“家族”という特殊な関係

岸田さんは、障害や認知症を抱える家族への向き合い方についても触れ、「家族だからこそ感じる葛藤や限界」を語りました。他人に対しては受け入れやすいことが、家族には難しいと感じることがあります。彼女はこの点を意識しながら、個々の生活に必要な“余白”を持つことの重要性を説きました。

認知症の新たな視点

イベント中の対談では、岸田さんが映画『認知症世界の歩き方』に共感した理由として、ユーモラスな描写の存在と家族の視点から距離を持つことの大切さが挙げられました。これにより、認知症が高齢者のみのテーマではないことが強調され、それを題材にした新しい物語が社会に届くことを期待しています。

参加者の反響

イベント終了後、参加者らは岸田さんや筧さんとのディスカッションに積極的に参加し、温かい雰囲気の中で意見交換が行われました。「偏見は無くすのではなく、気づき合うことが重要」という参加者の声が印象的でした。このような正直な対話を通じて、認知症についてより深く理解する機会が提供されました。

映画『認知症世界の歩き方』について

映画は2026年秋に公開予定で、全国及び台湾やフランスなどでの上映も計画されています。制作にはクラウドファンディングも活用され、社会課題に対して新たな視点を提供するヒューマンドラマであることを目指しています。

今後の展開

イベントを打ったissue+designでは、次回のイベントが予定されており、全国各地でのキャラバンも計画しています。認知症のようなテーマがこれからも語られることが期待されます。

このイベントを通じて、「認知症」というテーマをより多くの人に理解してもらい、市民の新たな創造力を引き出す取り組みに賛同できることは素晴らしい経験です。