ひふみ株式会社、JPX総研のAI検索サービスの開発支援
1. はじめに
ひふみ株式会社(東京都中央区、代表取締役:畠田拓)は、株式会社JPX総研(同じく東京都中央区)のAI開示情報検索サービス「J-LENS」(β版)の開発において、生成AIによる技術支援を行ったことを発表しました。2025年12月9日に行われたリリース発表会では、畠田代表がトークセッションやパネルディスカッションに参加し、協業の意義や実施内容を詳しく語りました。
2. J-LENSとは
「J-LENS」サービスは、JPX総研が開発した人工知能を用いる自然文検索の仕組みです。在来のキーワードの検索手法では見つけにくい情報でも、J-LENSを使用することで、東京証券取引所に上場している企業の大量の開示情報から迅速に、かつ正確に求めている情報を検索できます。これには、表記ゆれや数値条件、あいまいな表現にも対応する機能が含まれています。
3. ひふみの技術支援内容
3.1 生成AIによるチューニング
ひふみは、J-LENSのベクトル検索エンジンの精度を向上させるため、金融・証券分野に特化した生成AIのチューニングを実施しました。この支援により、開示情報に特有の専門用語や表現への対応が可能になり、情報検索の精度が飛躍的に向上しました。
3.2 ドメイン知識を活かした技術アドバイザリー
畠田代表の豊富な金融・証券に関する知識を基に、開示資料の文書構造を事前に把握することで、無駄なコストを抑え、高精度での情報抽出を行いました。これにより、開発作業がよりスムーズに進行しました。
3.3 開発現場に即した実装支援
JPX総研の開発環境にマッチするよう細かく調整した納品物を提供し、現場のエンジニアが即時的に利用できる形でサポートを行いました。この取り組みは、2日ほどでのチューニング完了を果たしました。
4. 両社のコメント
4.1 JPX総研の山藤氏
JPX総研の執行役員である山藤敦史氏は、「ひふみの生成AI技術の支援により、短期間で開発が進むことができました。この協業により金融・証券でのドメイン知識を基盤として、AI技術の実装ができました。特にWeWorkでの出会いが、この成功につながったことを嬉しく思います」と述べました。
4.2 ひふみの畠田代表
畠田代表は「JPX総研様との協業を通じ、金融市場のインフラ支えるサービスの開発に貢献できたことを誇りに思います。JPX総研様の柔軟な組織文化により、我々の能力を最大限に発揮することができました」と感謝の意を表明しました。
5. イベントレポート
5.1 エキスパートトークの概要
畠田はトークセッションで「顧客の顧客を意識することが重要な要素だ」と強調しました。開発の現場では顧客となるJPX総研様のお客様、つまり投資家の価値を考える視点が必要不可欠であると語りました。データ整備の重要性についても言及し、「AIシステムでは、生成AIが魚のネタであり、データがその寿司の形を決定付ける」と例えを交えながら、データの仕込みの重要性を強調しました。
5.2 パネルディスカッションの見どころ
パネルディスカッションでは、協業の背景にWeWorkのコミュニティがあることが強調されました。イベントを通じて出た課題に対し、その場でのデモにより解決策を提案した故事が話され、両社の迅速かつ効果的な協力を証明したのです。さらに「イノベーションの速度は信頼構築の速さとも比例する」との言葉には、WeWorkのコミュニティの重要さが示されています。
6. 今後の展望
ひふみでは、JPX総研との協業を契機に証券市場におけるデータ分析プロジェクトにおいて生成AI技術を活用していく方針です。上場企業の情報開示の質の向上及び投資家の情報アクセス改善に貢献し、日本経済の成長に寄与することを目指しています。また、今後さらに多様な企業への生成AI活用を含むサービス展開を計画しています。
7. おわりに
ひふみ株式会社は、今後も金融・証券・会計の分野におけるAI活用の先駆者として、日本企業の競争力を高める取り組みを進めていきます。