立地だけでは守れない時代の到来
日本のマンション市場において、資産価値を決定付ける要素は従来から立地や建物の形態といった物理的な要因が中心でした。しかし、近年では「管理状態」がその重要性に急速に拍車をかけていることが明らかになっています。マンションリサーチ株式会社が実施した分析では、管理品質が資産価値の向上に影響することが確認されました。
管理が資産価値を左右する
大阪府、京都府、兵庫県を対象に行われたこの分析からは、管理が良好なマンションは資産価値の維持・上昇に寄与することがデータとして示されています。少子高齢化やストック型社会への変化が進行する中、もはや単に立地が良いだけでは資産価値を保持するのは困難です。マンションの将来価値を守るためには、適切な管理が不可欠です。
老朽化の進むマンション市場
日本全国には約14万棟の分譲マンションがありますが、その大半が2050年までに築40年以上を迎える見込みです。これにより、マンションの老朽化が進行し、外壁や屋上、配管といった部分の劣化が避けられず、耐震性や安全性への懸念も高まることになります。また、高齢化が進むことで管理組合の運営が遅れるケースも増えることが懸念されています。
管理評価と価格上昇の関連
こうした状況下で注目を浴びているのが「マンション管理適正評価制度」です。この制度によって、マンションの管理状態が可視化され、6段階で評価されます。実際に行われた分析では、評価が最も高い「星5つ」のマンションの約7割で価格の上昇が確認され、その平均上昇率は4.3%に達しました。一方で、「星3つ」のマンションは、価格の上昇率が大きく低下しています。これは、高い評価が資産価値の維持に大きく貢献することを示しています。
所有者と購入者の意識の変化
今後、老朽化したマンションが増加する中で、所有者や居住者が管理状況を把握し、改善に主体的に取り組む必要があります。例えば、総会への積極的な参加や、長期修繕計画の見直しが求められます。また、購入希望者にとっても、表面的な条件だけでなく、管理の質も重視されるべきです。これは、安心して居住できる環境を確保し、資産価値を守るために不可欠な視点です。
まとめ
資産価値を守るためには、マンション管理の重要性を理解し、積極的に関与することが求められます。今後の市場においては、「管理」の質がマンション投資の成否を左右する鍵を握ることでしょう。福嶋真司氏が解説するように、情報を活用し、適切な判断を下すことがますます重要になると予想されます。私たちが住む空間の質と未来は、管理の良し悪しにかかっているのです。